月額を支払うことで様々なコンテンツを楽しめる「サブスク」というビジネスモデルを使ったファンクラブは、かなり以前から存在している。

しかし、ふたを開けると、チケット先行予約・楽曲配信・動画コメントなど、お決まりのものばかり。
アーティストが好きだから加入してるけれど、定期的には見ない。
ということはないだろうか。

ファンクラブに足りないもの＝ライブ感

多くのファンクラブは、「記録」として使われているように感じる。
思い出を振り返るのには良い環境だが、どうしても時差が生じてしまうというか、「ライブ感」がないのだ。

ライブは同じ時間をみんなで共有することに価値がある。
CDは買わないがライブやフェスには行く、という人の理由でもある。

CDは「記録」なので、ファンクラブとの相性がいい。
しかしライブ感を求めているファンには、物足りなさを感じてしまう。

それを払拭すべく、ここ近年、新しい試みをするサブスク型ファンクラブが増えてきた。

サブスク型ファンクラブは「現在進行形・共有型」へ

先月、インスト・ロックバンドのLITEが、「The Room」という会員制アプリを立ち上げた。月額980円。

紹介動画はこちら↓

特典は以下の５つ。
・国内外でのライブや、スタジオ限定ライブを高画質＆高音質で生配信。
・新曲の先行公開
・未発表楽曲の公開
・制作中の楽曲＆曲作りの過程を公開
・限定グッズの販売

制作中の楽曲を配信し、曲作りの過程を公開してくれるらしい。
それだけでなく、アルバムに収録されなかった楽曲も聴けるので、制作過程を間近で見ている感覚になれる。

また、アーティスト側からの投稿画面には、イイネボタンとコメント欄が設けられており、スタジオライブの前には楽曲のリクエストも受け付けていたりと、ファンとのコミュニケーションもある。

つまり、LITEの活動をほぼリアルタイムに感じることができる。
彼らが進化していく過程を見ながら、それを自分の活力にし、まるで一緒に成長していけるような気持ちになれる。ライブ感だ。

道具はそろっている。どう組み合わせるかだ。

YouTubeやSoundCloudなど、アーティストが手軽にアップでき、すぐファンに届けられるサービスはたくさんある。

それらをどう使い、ファンに楽しんでもらう場をつくるか。
そこにアーティストの個性がでて、活動の幅も広がっていくのではないか。

なお、LITEはこのアプリのことを、ファンクラブではなく「アートガレージ」と銘打っている。

公式サイトで武田さんは「ガレージに作品を展示してみんなに好きな時に見に来たり買いに来たりしてもらうイメージでつけました」とコメント。
こういうブランディングからも、アーティストの個性がでている。

もし、従来型のファンクラブだったら、ファンがガレージにくるタイミングはそれほど多くなかっただろう。しかし、この「現在進行形」コンテンツを「共有」しあう形にすることで、ファンは頻繁にガレージに足を運ぶし、ライブに行き、CDを買い、その感想を発信しようと思うはずだ。それはお互いにとって良いコミュニケーションを生むし、良い循環になっていくと思う。

※ちなみに11月12日まで実質無料キャンペーン中です

インタビューも公開されています

このアプリは、アーティスト支援プロジェクト「utoniq」（ユートニック）と共同でつくったものらしく、インタビューが公開されていました。

武田さんは行政書士でもあるので、音楽×お金のアンテナも張っているからこそできたアプリなのかもしれないと思いました。
（新代田のイベントは本当に行きたかった……）

ここからは余談。アプリの登録方法を少し詳しく。

アプリの公式サイトには、登録方法が記載されているのですが、ポンコツな私は途中でつまづいたので（笑）備忘録かねて残しておきます。

①「utoniq」（ユートニック）のサイトで会員登録をする
　※アプリはモバイルだけですが、登録はPC上でもできます
②「utoniq」（ユートニック）のサイトでログインする
③LITEのページに行き「メンバー」をクリックし、決済情報を登録
④「メンバーになる」ボタンが表示されるのでクリックし会員登録完了

⑤LITEの「The Room」アプリをダウンロードする
　※「LITE The Room」で検索しないと見つかりません（笑）
⑥ログインする

ちなみにいきなり⑤から進んで無料会員の状態でも、一部コンテンツは利用可能です。こんな感じで隠れてます。

面白いなと思ったのは、コンテンツごとにフィルターで絞れること。
過去の動画が見たいときに探しやすいなと思いました。

いろんなサブスク型ファンクラブを知りたいので、
ご存じの方はコメント欄にて教えていただけますと幸いです！

▼他にもあります、新しいサブスク型ファンクラブ

▼LITEの公式サイトはこちら
https://lite-web.com/