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勝手に読後レビュー【きこえる】 もはや小説じゃなく謎解き???

どうも、みことのは です。
読書の秋が終わり一気に寒くなりましたが、本を読む手は止まらず。特に移動中や旅行中には読み進みますね^^・・・基本的に家の中ではお風呂で読書するタイプですので。

そういう事で今回ご紹介するのは、講談社さんから出版された道尾秀介さんの新作です。

ホラージャンルは苦手ですが、いくぶんかミステリー寄りだと思っていますので読み進めやすく、いつも新作が出れば読ませて頂いています。

これまでも、腰を据えたタイプのミステリー小説もありながら、【いえない】シリーズなど小説をエンターテインメントととして捉えた遊び心・チャレンジ精神満載の作品もあり、どちらかというと道尾さん作品の中では 私は後者が好みです^^


今回の【きこえる】もそちら系のお話。

もう表紙のイラストから怖い・・・。


なるべくネタバレを避けながらご紹介させて頂こうと思っていますが、ストーリーや流れにも若干触れますので、その点はあらかじめご容赦を。




1、この小説のスタンスと流れ


本作は、5つのミステリー短編集です。1つ1つは全く繋がっていませんので、【今日はここまで】が比較的やり易い作品だと思います。

流れとしてはお話を読みつつ、最初や途中に出てくるQRコードを読み取り、専用YouTubeチャンネル【きこえる】にアクセスします。


アクセスした静止画の中、流れてくる【音】を聞き、作品本編に戻ります。私はより臨場感を楽しみながら集中したかったので、イヤフォンで聴きました(汗)・・・イヤフォンで聴くホラーは本当に怖かったです。


余談ですが、このチャンネル わざわざ作ったのがすごい手の込みようですね!ネタバレを防ぐ目的もあってか、コメントはできない仕様になっていますが。


各章によってQRコードのタイミングと数は違いますが、最後まで読み終わると、モヤっとした読了の中、全章 必ず締めくくりのQRコードが。

アクセスしたその【音】の先に、真相が待っています。

読むだけではなく、【耳】で【音】を聴かせる仕組みは、エンターテインメントととして素晴らしい!と思いました。作品を楽しむ五感が増えるだけで、全く違うアプローチができるんですね。

別作品の【いえない】シリーズは、最後に【画像】を見せる事で違ったアプローチを試みた作品だと思うのですが、とは言え 同じ【視覚】なので、今作でもう1つブラッシュアップされたような気がします。

怖いですが、作品に厚みができた様な感じを受けました。・・・読んで頂ければわかると思いますよ(T_T)


2、本作読了後の感想


前述した通り、各短編を読み終えて、最後にYouTubeで音を【聴く】のですが、個人的な感想として、聴くだけでは真相に辿り着けないと思いました。

しっかり聴いて、自分自身で読解・咀嚼しないと理解できない程度の難しさは付加されているんじゃないでしょうか。なので、YouTubeの【音】は単なる答え合わせではないと思った方が良いです。


あと、この書籍を読んでみようかなぁと思った方々へ注意事項です。夜中に読むのは全くオススメしません。だって、怖いから!ゾクゾクします!!!

最後に、【最終話の最後まで目を離さない様に】お気を付け下さい。

ライトなゾクゾクミステリーが好みの方には本当にオススメな【きこえる】。ご興味あればぜひご一読ください。

では、また。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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