ビジネス論

マネージャーの役割とは「整備」することである

前回、リーダーの役割は「決断」することであるという記事を書きました。

ここで必ず出てくるのが、「リーダーとマネージャーはどう違うのか」という議論です。

実際、この2つが明確に使い分けられている場面は、あまり多くないように思われます。

これは言葉の定義の問題なので、言葉を分解して考えてみましょう。


リーダーマネージャーを英語で書くと、それぞれLeaderManagerになります。


Leadという動詞は、「先導する・導く」という意味があります。

そのため、Leaderを直訳すると、「先導する人」になります。

リーダーというのは、先頭に立って集団の進む方向を決める人であるわけです。

これは、つまり意思決定をするということです。

だから、前の記事で書いたように、リーダーの役割は「決断」することになるのです。


では、マネージャーはどうでしょうか。

Manageという動詞は、「管理する・扱う」という意味があります。

そのため、Managerを直訳すると、「管理する人」になります。


マネージャーが管理をするのは、各メンバーの役割タスクであったり、スケジュールだったりします。

これが求められるのは、プロジェクトの実行段階です。

つまり、「何をするか」は決まっている状態だということです。


これに対し、リーダーの「決断」が求められるのは、意思決定の場面、つまり、「何をするか」を決めるときだということになります。

そもそもそのプロジェクトをやるかどうかを決めるのは、リーダーの役割です。

プロジェクトの進行中に、何らかのトラブルが起きたとき、どう対処するかを決めるのもリーダーの役割です。


さて、前の記事で詳しく書きましたが、リーダーが「決断」するこということは、リスクを取ったということです。

リスクを取ったということは、起こるかもしれない不確定要素が、一定の割合で残っているということです。

しかし、「決断」をした以上は、やはりどうにかして成功させたいわけです。


そこで、なんとか思い通りに進められるように、環境を整えながら物事を進めていく必要があります。

この「環境を整える」、つまり「整備」するということこそが、マネージャーの役割なのです。

もっと噛み砕いて言えば、「チームの皆が、目標に向かって全力で頑張れるような状態を作る」ということです。


リーダーマネージャーでは、どちらが上ということではなく、求められる場面が異なり、求められる役割が異なるのです。

ただ日本の組織では、リーダーマネージャーが区別されないままに、同じ人が両方の役割をふんわりと担っているケースが多いように思います。

一方アメリカでは、当然誰もが英語を使用しているため、LeadとManageの意味の違いを理解したうえで、リーダーマネージャーも明確に区別していると思われます。


日本人のほとんどは英語を分からないのに、あえて意味をあまり理解していない英語を用いるというのも、責任の所在を曖昧にしたいからなのかもしれません。

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