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創作

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自分が書いた創作の小説。フィクションがほとんどだけど、ちゃんとベースはある。
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空の色

俺は学生の頃、よく授業中に外を眺めていた。

なぜかいつも席替えをしても必ず窓側の席だった。

くじ引きなのにまるで仕組まれたかのようだった。

あの頃の空は今と同じように青かった。

空の色は変わらない。

昔の写真で空の色が灰色だったりする。

それはきっと、文明がまだ進んでなくて記録として残る写真には本物の空の色が写せなかったのだろう。

もしくは戦時中で常に戦闘機が飛び回り、煙をあげて空を

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元気?

あなたに会うのが怖い

どうしてだろう

「おはようございます。」

今日から新しい職場での生活。

同じように何人かの人が、同じように挨拶をしている。

4月という入れ替わりの時期。

良い職場だといいなぁと思いながら朝礼が終わる。

ずっとフリーターでアルバイトをしてきて、去年思い立って資格を取ってみた。

その資格を活かしての就職。

フリーターから正社員になるのは少し怖い(笑)

初日は研

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綺麗だから

おーちゃん、死んだらしいよ

天気が凄く良い

お日様が出てポカポカした平日

夕方から出勤の私にはこの平日のお昼がなんとも心地良い

ランチを食べようと幼なじみから誘いがあった

いつものようにおしゃれとはいえないラフな格好で出かける

久しぶりに会った

お互い忙しくて学生の頃のような、頻繁に会って遊ぶようなことはなくなったが彼女とは今も仲良くやってる

どこでたべようか

2人ともあまり計画

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窓からいつもと同じ空が見える。

今日も天気が良いなぁ。

下を見れば外出許可の出た人たちが嬉しそうにしている。

同部屋のおばあさんもいた。

若い看護師に付き添われ、車いすを押してもらい、外を満喫している。

この部屋に来るのは何度目だろうか。

来たらまず1番に、カーテンを開けるのが私の仕事だ。

すると眩しそうに彼が起きる。

「おはよう」

私と彼の1日が始まった。

「今日も来てくれた

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振られる

人に起こされた。
どうやらまたトイレで寝てたみたい笑
バイト先で朝まで1人でがっつり飲んで潰れてた。

起こされて、帰りの電車に乗る。
なんとか、山手線から代々木で総武線各停に乗り換えられた。
でも、そのまま深い眠りに落ちてしまった。
聞こえてきたアナウンスは吉祥寺。

あれ?
もしかして千葉まで行って往復してしまった感じ?
何時だろう、とふらふらの頭を起こし外を見る。

午前9時。
そして足元を

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渋谷の女の子

渋谷の女の子

明け方の渋谷を、現金を抱えて走ってる女の子がいる。
急いでタクシーに飛び乗り隣駅の恵比寿へと向かった。

彼女の夢は漫画家だ。
宮城から1人上京してきて、フリーターで働いている。

好きなものはNANA。漫画が原作の作品。
原作が完結はしてないものの、アニメや実写映画にもなっている堂々たる作品。

彼女は、主人公ナナのように黒髪のショートカットでタバコを吸いながら鋭い目をしている。
耳にはたくさん

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