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選ばれる人材とは



1、優秀なのに選ばれないのではない。選ばれる人が、優秀な人

「自分は優秀なのに選ばれない」とグチをこぼしている人がたまにいます。

いや、結構いますね。

これは「優秀な人」の定義が間違っています。「優秀な人」イコール「能力がある人」と思っている人は、自分より能力的に劣っている人が選ばれた時に、

「あの人は上司に好かれているから」

「あの人は運がいいから」

「あの人は若いから」

「あの人はかわいいから」


と、解釈してしまいます。


これを続けていると、いつまでも選ばれる人にはなれません。

まず、「優秀な人」の定義を変えることです。「優秀な人」とは「選ばれる人」です。

優秀なのに選ばれないということは、ないのです。
選ばれないのは、優秀ではないということです。

その時の差は、運やルックスではありません。大切なのは、あの人が選ばれて、自分は何が足りなかったのかと考えることです。

それを分析することで、次に選ばれる可能性が1%でも上がっていきます。運のせいにしないで、まずは選ばれる工夫をすることが大切なのです。



2、能力のある人が、選ばれるのではない。上司の狙いが分かる人が、選ばれる

選ばれるためには、どうしたらいいのでしょうか。


選ばれない人は、

「能力を伸ばすこと」
「自分の強みをつけること」
「ほかの人にないオンリーワンのものを持つこと」

と、だいたい答えます。

選ばれない人は、いいかげんな人ではありません。
一生懸命頑張って、競争相手にない自分の強みを磨こうとします。強みを持っていれば選ばれるかというと、そんなことはないのです。


例えば、サッカーで今日の試合の選手として選ばれる人は、サッカー選手としてすぐれている人ではありません。監督の今日のゲームプランが分かる人です。

まず、監督や上司の狙いを酌み取ることです。自分の強みをアピールするだけでは、ますます上司の狙いから離れていきます。

映画やドラマの監督には、

(1)役者のやりたいようにさせる監督
(2)監督のプランどおりに役者を動かす監督

の2パターンがあります。

(2)のタイプの場合、役者が「オレはこんなふうに演技プランを考えてきた」と言うと、次からは呼んでもらえなくなります。私が役者として現場に行く時は、まず、監督がどちらのタイプかを見きわめます。監督の狙いどおりのものを求められたら、そのとおりにします。時々、自分の台本に真っ黒になるぐらい書込みをして、一生懸命演技をつくってくる人がいます。本人は頑張っていますが、全体のハーモニーは壊れます。

オーケストラの演奏でも同じです。仕事においても、監督や上司の狙いを把握した人が選ばれるのです。



3、いつも選ばれる「気がきく人」


普段、社内外で様々な方と仕事をしていく中、人間である以上、


次(これから)も一緒に仕事をしていきたい方
②本当はこれっきりにしたいけど、利害関係上、仕方なくお付き合いを継続していかなければいけない方


と判別してしまいます。


ご自身が①と判断された場合と②と判断されてしまった場合には、
その後、下記の点で大きな差になって現れてきます。

 ●協創性
 ●アウトプット(成果)の質とスピード(生産性)
 ●柔軟性(即時対応性)
 ●場の雰囲気を明るくする力


この4点は、企業にとって生命線であり、もしあなたが②と認定されてしまうと、
4点全てにおいてパフォーマンスが低くなってしまいます。


できるだけ多くの相手に①と認定され、上記4点全てを常に高い状態で維持・継続していくためのカギは、

どれだけ「気がきく」力を磨き上げられるかにかかっています。


営業の仕事は、お客様の課題解決なので、「気が利く力」があれば、仕事もスムーズに運ぶことができます。


「気がきく」力は、もちろん後天的に高めることができる能力です。
また、24時間365日求められるものでもなく、オン・オフの使い分けができれば十分であり、
仕事はもちろん、プライベートにおいても様々な好影響・好循環を自らに引き寄せることができるようになります。


4、自分に求められた役割が分かる人が、選ばれる


サッカーも仕事も、監督や上司のゲームプランで戦います。

何がなんでもシュートを打てばいいわけではありません。上司の意図するストライカーは別にいます。自分が求められているのは、アシストなのか、起点なのか、おとりなのか、ディフェンスなのかを見きわめます。


なんのために自分がこの場に呼ばれているかを考えるのです。TVのトーク番組に呼ばれると、私はまず、メンバーを見ます。お笑いの人とアイドルの組合わせの時は、私に求められているのは「文化人」という位置づけです。


登場人物全員が文化人の場合は、私に求められているのは「笑い」です。ほかの人たちに笑いをとる余裕がない時は、自分が笑いをとって、ちゃんとTVをまわしていく役になります。

同じ選手でも、その時のフォーメーションの中で求められる役割は変わるのです。

自分のしたいことを先行させると、自分の役割を取り違えます。上司のゲームプランも壊れます。

「おとりになってくれと言っているのに、なに勝手なことをしてるんだ」

「ストライカーはもういるのに、かぶっている」

と言われるのです。

そういう人は、次からは呼ばれません。選ばれない人は、頑張っているし、一生懸命です。

選ばれない人は、頭はそこそこいいのに、プランを見抜いたり、役割を見抜くことが苦手なのです。選ばれるか選ばれないかは、たった1ミリの差です。だから、なおさら頑張って、「こんなに頑張っているのに、なぜ選ばれないのか」というストレスがたまっていくのです。



5、人のために役立つことを探している人が、選ばれる。

「仕事」の定義は「人のために役に立つこと」です。

人間にとって仕事は、いわば神様から与えられたミッションです。

お客様、得意先、上司、仲間、会社など、まわりの人のために役に立つことを探している人が、結果としてが選ばれる人になります。

つまり、どうしたら人のために役に立つかを優先させている人が、選ばれる人になります。



好きなことが見つからないのではない。
「稼げる仕事で、好きなこと」が見つからないだけだ。

「好きな仕事がなかなか見つからないので、見つかってから頑張ろうと思います」と言いながら、家で寝転がっている人が大ぜいいます。「なんで仕事しないの?」と聞くと、「好きなことが見つからないんです」と言うのです。


「好きなことが見つからない」には、

(1)好きなことはあっても、それでは食べていけない
(2)食べていけても、その中に好きなことが見つからない

という2つの意味があります。
「好き嫌い」の軸と「食べていけるか食べていけないか」の軸とがあるのです。好きでもないし食べてもいけないことは、そもそもしようと思わないので誰も悩みません。


一方、経験もなく、勉強もしていないのに、都合よく「好きで食べていけること」ができるわけがありません。最終的には「好きで食べていけること」を目指すとしても、途中のプロセスは「好きだけど食べられないこと」と「食べられるけど好きではないこと」の2択です。


ほとんどの人が「好きだけど食べられないこと」を選びます。その結果、食べていけないので、だんだん続かなくなって、ついには行きどまりなります。

「本には『好きなことを仕事にしなさい』と書いてあるじゃないか」
「あの人は好きで楽しいことをしているじゃないか」と文句を言うのです。


中間点では、今は好きでなくても食べていけることを、自分なりにコツコツ頑張ります。

そのうちに好きなやり方が見つかります。最終的に、好きで食べていけることにたどり着けるのです。



6、最後に

これからは、人生100年時代と言われるように、学生時代に学んだ内容のみで事足りるとは限りません。

まずは、自発的な自己研鑽を習慣化してほしいです。
前述のように、勉強の内容やレベル感ではなく「自己研鑽し続ける姿勢」がモノを言います。

そしてもう一つ、日々の仕事について日記のようなものを付けて記録するのもお勧めです。今取り組んでいる業務内容は何か、それに対して自分はどう考え行動しているのか、そして何ができるようになったのか、書き留めておくのです。


その時の思いや感じたことなどを記録することで、日々の小さな成長にも気づくことができ、自信になります。日々キャリアの棚卸しを行っていることになるので、自分の成果とも否応なしに向き合うことになります。我が身を直視することで身が引き締まり、さらに真剣に仕事に向き合える好循環に繋がります。


ときどき立ち止まって過去の記録を読み返すことで、これまでの軌跡がつかめるのもメリット。自分の軸が言語化されてくると、今後目指す方向性も自ずと明確になります。副次効果として、転職活動の際の履歴書や職務経歴書作成も、記録があればスムーズに進むでしょう。

実際、ハイクラスの方で記録を付けている方は多いですね。日記帳や手帳に書き留めたり、スケジューラに入力したり。日記代わりにレジュメを作って、頻繁に更新しているという方もいらっしゃいます。

目標に向かってoffの時間にも自己研鑽し続ける。そして、日々の振り返りで自己認識を逐次更新する。ハイクラス人材を目指す若手ビジネスパーソンには、ぜひこの2点を意識しながらキャリアを築いていってほしいと思います。

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