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白い雪 #夢現シリーズ
「下校の時刻となりました。
みなさん気を付けて帰りましょう」
そう促されて、アリのようになって
一斉に帰路につきました。
あれは寒い冬の夕方だったでしょうか。
ふ と、地面を見ると、
雪が溶けた後にまだ白い粒が残っているではありませんか。
雪の結晶とは全く違った
丸くてコロンコロンとした白いつぶが。
私はそれが気になって気になって。
後ろの子の迷惑なんぞ考えずにしゃがみこみました。
私はそ
こじつけ #夢現シリーズ
人間は『物語があると安心する』と聞きました。
自分の周りで不可解な出来事が起きた時、人はそれに恐怖します。
けれどそこに物語が見つかった時、人はそれに安心するのです。
例えば誰もいない部屋で黒い影が見えた時。
「あっ、この間死んだうちの猫だな」と思えればとっても安心するのです。
まだ傍にいてくれている、と。
まだ一緒にいられるんだ、と。
大変安心するのです。
そして、
もし私が死んでもあの
ひとりぽっち #夢現シリーズ
ひとりで寝ているとお腹が痛くなってくるのです。
誰も気付いてくれなくて。傍にいるのは暗闇だけ。
痛くて、痛くて、苦しくて、怖くて。
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「誰か助けてください」
「許してください」
と言ってみても、誰の耳にも届かなくて。
痛くて、痛くて、切なくて、息ができなくて。
「だれでもいいからわたしにきづいて」
痛くて辛くてどうしようもない時は背中
オレンジの温もり #夢現シリーズ
生まれた時から、私のそばには母しかいませんでした。
時折現れる父と、三人で何処かへ出かけては喧嘩をしている両親。
怒られる母と怒る父。
間に挟まれては嵐が過ぎ去るのをじっと待っていました。
私が止めても止むことのない雨。その雨雲を作っているのは私だと、降りしきる涙のなかで感じていたものです。
ある日、
カタカタ、コトコトと、心地良く揺れる車内で眠りこけていた私は、母と父が喧嘩をしていないこと
『私』の意味 #夢現シリーズ
「勉強をしなさい」
「人の役に立ちなさい」
「あなたの幸せを掴みなさい」
そう言われて、『私』として生きてきました。
……そのはずなのに。社会に組み込まれてしまえば糸も簡単に『私』がなくなり、集合体の一部になってしまうのです。
『総意』の一部になってしまうのです。
必死になって生きてきたはずなのに、それは全く関係のないものになってしまう。
私の感じてきたことや私が考えてきたこと、私の目の前で起