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発表!夏目漱石『坑夫』に出て来るまずい食べ物ワースト3

夏目漱石の『坑夫』が面白い!漱石作品の中では異色と言われているようだ。たしかにあまり名前を聞かないイメージはあり、私もこの年になって初めて手に取ったのだがあまりに面白い。 色々あって東京を逃げてきた若者が長蔵という男に勧誘され坑夫になる決心をする。長々歩いて坑山に行くも、気管支炎があるので坑夫はさせられないということになり、飯場の帳附を5ヶ月やったのちまた東京に帰った。という話で、とにかく主人公の体験が面白い。また冒頭の「松原と云うものは絵で見たよりも余っ程長いもんだ。何時ま

    • ぎょっとする明治文学紹介

      明治文学にはまって読んでいるが、たまに驚くような展開や設定、描写が出てきてぎょっとすることがある。時代の違いのせいか、作品の個性なのか、これも明治文学の魅力の一つだと思う。そんな短編小説を紹介する。 ※各作品(「少女病」以外)のあらすじを最後まで書いているので、ラストを知らずに読みたい方は注意。 ※この記事のリンクは基本的に国立国会図書館デジタルコレクションの該当作品に飛ぶが、青空文庫にある作品は青空文庫のリンクもつけている。 広津柳浪「亀さん」(明治28年) 野州烏山

      • 青空文庫とKindleのありがたみを知った

        タイトルの通りの記事。 最近、Kindle端末で青空文庫のKindle版を読んでいる。これがとても良い。ついでに読んだ本紹介も。 青空文庫のKindle版をDLして読むようになって良かった点 ・図書館に行って本を借りるより早い。家にいながら入手できる。 ・Kindle端末に長編を複数ダウンロードしておけば、本を何冊も持ち歩かなくてもいい(私は比較的読むのが速くかつ空き時間には本が読みたいので、ちょっとでかけるにも数冊の本を持ち歩きがち)。 ・画面が光るので寝っ転がってごろ

        • 明治の農村を読もう!

          明治時代が舞台の農村文学を紹介する記事です。そんなことをする理由は二つあって、一つは私が明治文学に今はまっているということ。もう一つは、個人的に農村文学には身に迫って感じられる何かがあり、印象が強いということ。 二つ目はなぜかというと、自分の出自に関係がある。私は田舎の農家の家系に生まれた。子どもの頃からなぜか、生まれたのが明治大正あたりだったら、村から出られず自分の望むような教育も受けられず、農家に嫁いで暮らし、環境に適応できなくて早いうちに死ぬだろうとたびたび考えていた

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          海外のダークな女子向けYA小説

          タイトルの通りの作品が好き。英語圏の、ダークな雰囲気がある女子向けYA小説が楽しい。ティーンズ向けなので語彙も文章も易しめで、文字のレイアウトに余裕があって読みやすいのも良いところ。 同好の士を増やすべく、自室の本棚にある女子向けダークYA小説を紹介したい。この機会に読み直してちゃんとレビューしようとも思ったけど、今積み本消化を頑張っていて結局読み直していないので、紹介内容は割とうろ覚えになります。 You Must Not Miss (Katrina Leno) すご

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          明治の小説をすすめたい!

          去年から明治時代の小説にはまって読んでいる。きっかけは、『日本文壇史』を読んでいるときに、「『金色夜叉』とか『浮雲』とか、ずっとタイトルを知ってるだけで、一生読まないのかなあ」とふと考えて不思議な気持ちになり、ちょっと読んでみようと思ったのだ。読んでみたらこれが面白い。 ちなみにこの記事のリンクは基本的に国立国会図書館デジタルコレクションの該当作品に飛ぶが、青空文庫にある作品は青空文庫のリンクもつけている。 面白い明治の文章表現なぜ明治の小説が面白いのか。書かれている文化

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