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#10 アメリカ高校登校2日目

学校登校二日目。早速寝坊した。昨夜遅くまで勉強したのと、時差ぼけと、学校に行きたくないからぐずぐずいつまでも寝ていて起きれなかった。父さんは相変わらず心配性だから、不必要に早い時間に家を出て、学校に向かいたがる、遅刻しないように。でも私はなるべくぎりぎりの時間に到着したかった。なるべく学校にいる時間を短くしたかった。今日は私が寝坊したこともあり、丁度よい時間に登校できた。

朝、スクールバスに乗って登校することも出来る。しかし私の居住地域は学区の隅の為か、朝五時四十分頃にスクールバスに乗車しなくてはいけないたため、そんなに早朝に起きたくないという私のわがままで、朝は車で送ってもらう。電車などで通学している生徒はいない。まず、この町に電車は一日に三本あるかないか程度の本数しかないと聞いた。基本的に生徒はスクールバス、車、又は学校の近くに住んでいる場合は徒歩で通学している。歩くには遠すぎる距離だったので、車で送ってもらっている。朝、学校に着くと、車で学校まで送ってもらっている生徒が多々いた。


一から四時間目の授業は毎日同じで、学期が変わる時に、クラスも変わるみたいだった。今日は一時間目の前半は昨日の続きを学んだ。一時間目の後半は何かの実験をした。実験の内容がよく分からない。実験の手順もなんて書いているか分からない。私とペアになってしまった生徒が何か話しかけてきたけど、よく分からなかった。私のペアは私の英語力の無さに呆れているように見えた。しょうがないな、と言わんばかりに、一人で実験の最初から最後まで行ってくれた。実験しながら実験結果などをプリントに記入しなくてはならないみたいだった。だから、私は図々しくも、ペアのプリントを見してもらうことにした。もう少し正確に言うと、勝手に覗き込んだ。また、本当にしょうがないなぁ、とプリントを私に見してくれた。任せっぱなしになってしまい少し申し訳ない気持ちで一杯だったが、私にはどうすることもできなかった。だって、分からないから。何が書いてあるか、何を言っているか分からない。私は自分の無力さを痛感した。また、アメリカで英語が話せない深刻さを噛みしめた。


二時間目は昨日と同じく体育の授業。昨日と同じでまたドッジボールをするんだろうな、嫌だなと思っていた。だが、今日はドッジボールではなくて、バトミントンをするみたいだった。速いボールに当たって痛い思いをしなくていいのかと思うと安堵した。ドッジボールって暴力的なスポーツだと思う。強い人が弱い人を狙って、ボールを投げる。弱いものはひたすら逃げ回る。怖すぎる。頭にヒジャブを巻いている女の子がまた話しかけてくれた。何言ってるかはよく分からなかったから、適当に愛想笑いをして誤魔化した。その女の子とバトミントンをした。今日は昨日のドッジボールに比べて楽しかった。その子とバトミントンをしたが、なかなかラリーが続かなかった。少しもどかしかったけど、そこまで気にならなかった。授業が終わって、更衣室で着替えている時に、その子が何か話しかけてきた。唯一聞き取れた単語はランチだった。ランチを一緒に食べようと誘ってくれているのか、ランチを一緒に食べたくないといっているのか分からなかった。彼女は食堂で友達を探してくるみたいなことを言っていたから私は食堂に行かないで、図書室に行ってみた。


この高校の図書室は私が日本で通っていた学校の図書室よりも広くて驚いた。パソコンが三十台程置いてあり、自由に使っていいみたいだった。沢山の本が本棚に陳列されていた。少しだけ、名探偵コナンなどの漫画もあった。漫画は英訳されていた。図書室は地域の人にも開放されているみたいだった。だから、明らかに高校生ではなさそうなおじさんとかおばさんも図書室のパソコンで何かを検索していた。私は図書室でお弁当を食べた。図書室でお弁当を食べていいのか分からないけど、周りに図書室内でランチを食べている生徒を見かけたから、まあ、いっか、と思って食べ始めた。弁当箱には白いご飯に卵焼き、から揚げ、枝豆などが入っていた。私が弁当のおかずを箸で食べていると、少し珍しそうに見られている気がした。そっか、アメリカでは箸は一般的ではなくて、フォークとスプーンとナイフだよね、と思った。少し恥ずかしくなったけど、フォークとかスプーンを持っていなかったので、そのまま箸でご飯をほおばった。


三時間目はESLの授業だった。先生含めて八人ぐらいの少人数のクラス。各々机とイスを移動して、皆で丸になって英語を勉強した。知らない単語が沢山あったが、文法は中学で習ったような基礎的なものだったので簡単だった。ベトナムからの男の子が二人いた。二人とも名前はトン。でも、発音が違うらしく、トに抑揚をつけるのと、ンに抑揚をつけるみたいな違いがあるらしい。そんなことを言っていた気がしたが、私にはトンとトンの違いが上手く聞き取れなかった。私は違いを理解できなかったから、笑って誤魔化した。私が分かってないことを感じ取って、こいつも分からないんだって感じで私を見ていた。名前を呼ぶのを躊躇した。何か発音が違うまま名前を呼ぶのは失礼な気がして。


四時間目は世界史。今日もパワーポイントを使った授業だった。家に帰った後は明日、自然科学とESLの小テストがあるらしいから、そのための勉強をした。自分が取ったノートだけど何が書いてあるか分からないから、電子辞書を使って一単語ずつ調べた。それで何となく内容を理解して、まだ分からなかったら、インターネットで調べて授業で習った内容を日本語で理解して、次に英語で理解するように努めた。それだけで、時間が掛かってしまう。その後は、英語で重要単語などを覚えた。

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