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本質的な社会問題に気づけない大人たちへ

コロナウイルスが今の日本の問題として取り上げられているが、今回は少し前に会社で起きた事件から、女性の社会問題が浮き彫りになった気がしたので、そのことについて書きたい。

少し前だが、metoo運動、kutoo運動 そんな言葉が世間で話題になっていた。テレビやネットニュースで、まだまだ残る女性差別を撤廃に向けて戦っている女性が取り上げられているのは知っていた。

そのニュース話題になっていた当時、私はまだ大学生でその問題がどういうことかピンと来ていなかった。

しかし、社会人1年目が終わろうとしている3月、私の職場でkutoo運動を起こすべきとも言える事件が発生したのだ。衝撃な上司たちの言動や対応に、私はとてもがっかりしたのだ。問題の根本を突き詰めて考えられない、愚かな大人たち。

今回は、そんな社会問題が起こった背景を明らかにし、物事の本質を見極めれることの重要性について伝えたい。

事件は、女性社員が商談ブースで(周りからもよく見られるオープンな場所)パンプスを半分脱ぎながら商談しているのを、男性社員が(役職者)が通り掛かり、200人ほどが参加する社内共有チャットで告発したのだ。

そこには「だらしなすぎる」、「モラルを考えろ」、「社外の人が幻滅する」などと厳しい言葉を連ねた。注意なのか批判したいのか、女性社員の名前は伏せていたものの、所属部署を特定できるよな書き方をしていたので、候補者は4名程度に絞られた。叩かれた女性社員は、ひどく傷ついていたと思う。

もちろん、社外の人も通る場所で、靴を脱ぎながら商談するのは、見た目上良くないとは私も思う。

しかし、この問題をそんな簡単に片づけて良いのだろうか。
私はそうは思わない。

パンプスの作り上、前のめりになったり高さがある椅子で足が地面に届かなかったり、かかとが華奢な女性は足からパカっと脱げてしまうことはよくあることだ。

それに加えて、キレイ目なローファー、紐がついているレースアップのエナメル素材の靴などの、パンプス以外の靴を履くことさえ、なぜか禁じられているので、パンプスを履かざるを得ない。
さらに残業の多い職場で、1日10時間から12時間くらいは働くことは普通なので、慢性的な足の疲れから、ヒールを脱ぎたくなる気持ちは痛いほどよくわかる。

そんな女性の置かれた環境も知らずに、女性を傷つけるような告発の仕方をするなんて許せない。私は男性にヒールを履いて、しんどさを分かって欲しいなんて言いたい訳ではない。

起こった問題の上辺だけを切り取って、物事の善悪を判断し、挙句の果てに同じ会社の仲間を傷つけるようなことが平気でできるのかその神経が許せない。

きっとそんな大人は沢山存在して、どこかで弱い立場の人を傷つけてるのかもしれない。

この問題の本質的な問題は、「なぜ女性社員がパンプスを脱ぎながら商談をしてしまったのか」について考えなければいけないのではないか。その本質的な問題を解決しなければ意味がない。

本質的な問題を突き詰めれば、パンプス以外も可能とする案もあれば、社内ではスリッパでも可能とするのか、誰もが働きやすいような職場を作っていかなければいけないという発想になるのではないか。

問題が起こったとき、本質的な問題は何なのか突き詰めて考えれる大人は少ないように思う。ダメなものはダメと、解決策を考える前に禁止にしてしまう方が楽だから。
上の立場や権力のある人ほど、本質的な問題について掘り下げて考えれる大人が増えないと世の中良くならないのではないだろうか。

男性も女性も若者も高齢者も関係なく働きやすい世の中になってほしいと改めて感じた。

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