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仕事帰り、無性にコーヒーが飲みたくなってコンビニへ立ち寄った。
カフェに行けば1回600円以上もするお菓子とコーヒーの組み合わせ。
コンビニだとコーヒーLでも200円しない!と意気揚々レジで「ホットコーヒーのLください」と注文。受け取ってコーヒーマシーンへ。
ボタンを押して、何か違和感を感じた。

あれ?…もしや…やってしまったのか?

カップに注がれたのはカフェラテ。マシーンの選択ボタンを間違えたのだ。
すぐに店員さんに間違ったことを伝えると「いいですよ。次間違わないでくれたら今日はカフェラテで」と言われた。

違う。違う。そうじゃない。

私の中の鈴木雅之が熱唱する。

私はブラックコーヒーが飲みたかった。
たとえ値段の高い方だったとしてもこのチョイスは違うのだ。
そして“次間違わなければ”という言葉を一種の呪いみたいに感じてしまった。
次間違えない自信は…ない。

私は「いえ、もう一回カフェラテを売ってください。そのカップにホットコーヒー入れて行きます」と伝え、無事カフェラテの代金を支払った。

この時あんみつも買っていたので、総額は700円くらいになったと思う。
当初の予算は越えてしまったけれど、久しぶりのカフェラテは美味しかった。
コーヒーは保温のカップに入れて、じっくり飲もむことにした。

これは決してポジティブ思考の話ではなく、ただ単に私が小心者故に店員さんがサービスしてくれようとしたのをお断りしただけの話。

私はちょっとだけ疑り深く、自分のしていることに自信がなくなっている。
しかし、このことをあまりネガティブには考えていない。

生きていく中で“疑う力”は必要だと思っているから。

友達やパートナーに関しても、大きな助言はしない。
肯定が大前提。
その人にはその人のルールがあるので、そこに自分のルールを当てはめようとしない。
“私の考え、本当に正解かな?”と思うことで、相手の話をよく聞く癖がついた。

“信じる力”はよくフォーカスされるけれど、”疑う力“は何となく暗いイメージらしい。
しかし“自分のやっていることが本当に正しかを疑う力は必要じゃないかと最近思うようになった。

この“疑う力”を知ったのはnoteでも活躍している“雑談の人”桜林直子さんの言葉だった。
“シングルマザーは大変”という周りの言葉に“本当にそうかな?”と疑いながらイラストレーターの娘さんを育て、自分もクッキーショップや書籍の発売をして未来を切り開いてきた。
桜林さんが毎週放送している『隣の雑談』でもこの話はよく触れられていて、その考え向け方は私にはとてもリンクしていたので、そこから疑うことに抵抗が無くなり“ポジティブに疑うこと”を心掛けている。

そもそもの私は、ちょっと気を抜くと調子に乗りがちな人間で「私は出来る!」とか「私じゃなきゃ!」みたいな気持ちになりやすい。
それ故に周りとトラブルが起きることもあった。

この時の私に“本当にそれでいいのかな?”と思える力があったら、もう少し良好な人間関係を築けたのかもしれない。

疑うことのポジティブさを認識してから、自分の中で人や物事との向き合い方が変わってきた。
要は“喧嘩っ早くなくなった”ということ。

例えば、仕事において「あなたがいないと仕事が回らない」と言われた時「本当かな?」と思うことから始まる。
求められることは悪いことではない。でも私一人が居なければ回らない仕事でいいのだろうか。
だから、周りの人に自分が仕事で気を付けていることを伝えていく。
その中で私より効率的に仕事ができるように提案してくれる人と沢山話をして新しい働き方を考えていく。
自分が正しいと思うことに疑問をもつことで、他の人の動きにイライラしなくなる。

知人やパートナーとの関係についても、自分と違う意見が出た時に自分の正当性を疑うことが第一。
喧嘩をしたところで気分が悪くなるだけだから、相手の意見を一度飲み込んで後から自分の中でじっくり吟味する。
別に相手に伝える必要はない。「私の気持ちはこうだったんだな」で完結していく。
相手に対して要らぬ喧嘩を仕掛けないで済むので自分の心も穏やかだ。

自分を疑うことは、自分の可能性を信じること。そして、誰かの可能性も信じることになる。

夫が「俺は正しい!」について「いや、違うだろ」と思っていても「それって本当に違うのかな?」と思って「そうなんだね」と返す。
多分私が言い返して喧嘩になることを望んでいる夫は私がずっとヘラヘラしているもんだから逆に気持ち悪いと思うらしい。戦意喪失すればこちらの作戦勝ちである。

こうして新装備を手に入れたタカチセはより良い人間関係を構築していくのだ。
そして、日々アップデートを重ねていく。

いよいよ目のかゆみや鼻水クシャミが酷くなり、花粉症の真っ只中なのだけど
「花粉症って本当かな?」
と疑ってみた。
結局花粉症なんだけど。
諦めて薬を使うことにした。
桜が咲けばこの苦しみも終わる。

あれ…それって本当かな?(笑)

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