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Piet Oudolf - NYのハイライン、ズントーのサーペンタイン・パビリオンに四次元の魅力を与えるアーティスト

月曜日の夜、市庁舎裏のグランドシアターで
ランドスケープデザイナーPiet Oudolf のドキュメンタリーを観に行った。
もうめちゃめちゃ好きになってしまったので、記録するとともに紹介させて欲しい。

Piet Oudolf (ピエ・オドルフ)(1944年生まれ) はオランダ人のガーデンデザイナー、種苗販売者、そして作家である。(略)Oudolfは建築のデザイン等からヒントを得て、花や色のような装飾的な要素だけでなく、植物が開花する前後に存在する葉や、種子のさやの形など形態的な特徴や、植物の季節的なライフサイクルを考慮して庭園・ランドスケープのデザインをする。(wikipediaより引用・訳)

ランドスケープ・造園界では神様のような人で、これまでの代表作はニューヨーク・マンハッタンのハイライン、バッテリーパーク、ロンドンのズントーが担当していた時のサーペンタインギャラリー、Hauser & Wirthギャラリーなど建築をやっている人なら、写真なり現物なりみたことがあると思う。

プレゼンテーション用リファレンス画像を揃えるときには、いつもいつもお世話になっていました。ピンタレストで見つけて、ずっと綺麗だな〜と思っていたけど、全然知らなかった。。あなたでしたか。

まるで印象派の、モネの睡蓮のような、個性あふれる草花が混ざり合って作り出される、ナチュラルなのに「理想的」な自然あふれる庭園は本当に美しくてもう...はぁため息がでてしまう...
(本人も見目麗しくて、爽やかに分けた長めの前髪と思慮深そうな表情、乾いたユーモアと、たまにキラッといたずらそうに光る薄いブルーの目...けっこうおじいちゃんなんだけど、はぁ好き...)

全体の色合い・その横を歩いたときのシーケンス・草花の造形の組み合わせの妙、それだけではなく、春夏秋冬の四季の中で緑深くなったり枯れていく時間の軸も重なって、ランドスケープを4次元にデザインしている。どんな季節・天気でも美しく見えるような庭園。

この超自然的な状態をいったいどうやってデザインしてるんだろうか。まったくランドスケープデザインの経験がないので未知の世界すぎる、と思っていたけど、使っていたのは大きな図面と、色ペンと、トレーシングペーパーだけ。あとはなによりも膨大で解像度の高い草花の知識と色と形のセンス、あとは愛。

植物ごとに色と形を分類して、トレペにどんどん書いていく。
この図面自体が、ポップで可憐なテキスタイルの柄みたいでめちゃ可愛い。

植物のクラスターを分散させて、塊としての美しさと重なり合った時の美しさを、隣り合う草花一つ一つの形態と色合いの組み合わせ、季節ごとの寄り添い方を考慮しながら、現実的な植え合わせも考えながらていく。

ときには俯瞰的に図面を上からみて、ときには自分を道の上にたててアイレベルを想像して。建築と同じやり方だけど、時間軸のタイムトラベルが、春の生から冬の死まで、もっとドラマティック。4次元の組み合わせを楽しみながらひとつひとつ落とし込んでいって、どんどんトレーシングペーパー上でスタディしていく作業。

(え、この二人の組み合わせ,見た目も最高すぎでは....)

思った以上に庭園家は、植物の力を借りながら、4次元に、純粋に「美」を考えていく作業なんだな、と思うととても楽しそう。そう、オードルフはドキュメンタリーの中でめちゃめちゃ楽しそうだった。(自分の作品のいいな、と思うところを写メりまくるオードルフ可愛いすぎ)(インスタアカウントがけっこうアクティブなのも可愛いし、オードルフが撮るオードルフの作品が一番かっこいい https://www.instagram.com/pietoudolf/?hl=da)

ドキュメンタリーは、作品と人物を俯瞰的に見るのにとて良き作品でした。日本や北欧で作品作ってくれないかな....

ウェブサイトもかわいいのでみて欲しい。 https://oudolf.com/

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