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メメント(2000年:監督:クリストファー・ノーラン)【へその辺りに何か書いてあるゾ・・・「これは映画紹介だ」ふむ、だからなんなんだ?】

ミステリ映画。
ただし通常の作品とは違い、
物語のいちばん最後を先に見せて、
5分づつ過去にさかのぼっていく。

さらに主人公は記憶喪失というか、
5分以上の記憶を維持できないので、
その間に起こった出来事は体にメモを書いて残す。
だから自分の肉体を見れば、
何が起こっているのかわかるのだ。

それゆえ、
5分づつ時を遡っていくように映画が展開される。

視聴者も主人公も、
何が起こっているのか、
さっぱりわからないこともある。

もっとも主人公は記憶がないのでわからないのだが、
視聴者は単にその場面がまだ未放映だからわからない。

5分ごとにさかのぼっていくたびに、
視聴者の方は記憶の出来事が整理され、
だんだんと映画の全容を把握していく。

一方でもちろん主人公は闇の中である。

***

5分ごとにさかのぼる設定ゆえに、
小さな謎解きがその都度、積み上げられていく。

なぜ周りの人間が笑っていたのか。
なぜこんな情報が肉体に書き込まれていたのか。

主人公がこうなったのは、ある事件に巻き込まれたからだ。
肉体文書によると、
妻が殺され、自分は重傷を負い、
記憶が継続できない体にされてしまった。
ゆえに復讐する。

いや、復讐に成功したところからはじまる。
そこから5分づつさかのぼり、
驚愕の真実がラストに、つまり最初に待ち構えている!

単純にある事件を叙述しているだけで、
時をさかのぼらせるだけで、
ミステリを成立させる。
このとんでもない発想に世界は震撼した。

こんな斬新すぎる脚本を映画化したゆえ、
映画史に革命を起こした作品のひとつである。
以降、しばしば模倣の対象となった。

***

もちろん模倣するといっても、
これを猿真似するわけにはいかない。
しかし後世の作品は大なり小なりこの影響を受けてしまうのである。
物語技術史上の一大エポックである。

映画好きには社会常識に近い作品だが、
今まできちんと紹介したことがなかったので、
ちょっと一夜分のページを割いてみました。

とある映画スキの錯乱より

↑ 同じコンセプトの日本ミステリ。

未視聴の方には、期待を裏切らせない出来だとは思います。
ただ殺人ミステリ的な設定である以上は、
暴力ネタがあるので、そういうのが苦手な方はご注意ください。


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