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スピリットサークル(著:水上悟志:全6巻完結)【前前前世から全然マンガ感想してた僕だし】

さて水上先生の泣きゲー的作品をもうひとつ紹介させてください。
今回はスピリットサークル。
なんと輪廻転生ネタです。泣きゲーで輪廻転生しかも(笑)あり。
それでいてわずか6巻しかないのが、意外。
なんとなく打ち切りエンドなのかもしれませんが、惜しい気がします。

ただ、私が好きな作品を万人に好きになられては、それはそれで困るような気もしますので、まあそういうことにしておきましょう。

では簡単な舞台設定とネタバレにならない程度のあらすじを。

主人公は中学生です。勉強のできない少年、ほっぺたに絆創膏をつけてます。なんとなく気になる女の子が転校してきます。おでこに傷があります。

なんとなく気があう仲間男子2人と、なんとなく主人公に気がある感じの女の子がいます。その5人組での学園もの・・・・なわけないじゃないですか(爆)

主人公はおでこに傷の子に話しかけます。
もっぱら友人(上記の3人)のすごさを語ってしまい、
「私が思ってる人物とは違ったみたいで良かった」
なとど言ってもらいます。良かったですね。脈あるぞ。

でも絆創膏の傷を見せると、
「やっぱり私の思い違いじゃなかったわ。お前、敵」
とかなんとかいって、ムリヤリ過去の記憶を思いださせられます。
なんだこの暗転!?

実は主人公とヒロイン、輪廻転生して戦い続けてきた宿命の仇らしいのですね。
それで「まずはお前の罪を思い出せ」ということで、
過去世の自分を思い出す展開になります。

それぞれの過去編(未来編もあり)
は上記の5人が立場を替えて、繰り返し出てきます。
顔は同じですが、役割は違います。
過去世のほとんどはバッドエンドに近いか、あるいは結末がわからないエンドになります。
古代アステカ。中世ヨーロッパ、古代ギリシャ、戦国日本、未来の研究施設、
(なんか「火の鳥」感あるぞ)

あるいは輪廻転生では性別も入れ替わるということで、オール性別逆転パラレルワールド編もあります。

おっとネタバレページなのでお気をつけください。

そしてすべての元凶であるサイコパスの霊学者(これが主人公の前前前前前前世にしてラスボス)まあ確かにこいつなら憎まれるのもわかります。
しかもこの前世は、霊学とかいう超文明が栄えている時代。
超古代なのか超未来なのかワカリマセンが。なんとなくアトランティスです。

考察ページはネタバレしまくーりので、お気をつけください。

いずれの人生もメデタシメデタシで終わらない、重い話ばかり。
(そうでもない話もあるか)

そうです。輪廻転生ネタは、バッドエンドを普通に扱えるんですね。
バッドエンドの扱いは難しく、諸説ありますが、
輪廻転生ネタだと本編ではないから、つまり現世ではハッピーエンドやれます状態、なので無理なく破綻なくバッドエンドを作中に組み込むことができます。
これでハッピーエンド至上主義者も安心!

にもかかわらず、あまり舞台設定として使われてないので(もったいないな)と思います。
輪廻転生ネタは立派な創作技法のひとつですヨー!

お話の基本は、落として上げる、なので、
前世でバッドエンドにして、現世でハッピーエンドにする展開は鉄板なんじゃないかと思うのですが、抹香臭いからなのか、敬遠されてるのかもしれません。

「惑星のさみだれ」みたいな「生きる動機」を見つけないと闇落ちしちゃう!みたいなヒリヒリ感は感じないですが、
前述の輪廻転生の世界観をフルに使って、
終わってしまう世界の「切なさ」「思い残し」などで読者の心臓を傷めつけにきます。

そういえばバッドエンドが評価され始めたのも、マルチエンドのあるゲームが流行ってからでした。

で、そうやってバッドエンド感のある世界を積み上げていくと、当然トゥルーエンドへの期待が生み出されていくわけですね。
今度こそは間違えない。
愛と勇気と誠実さで、今回こそは正しい未来を切り開いて見せる。
そういう気持ちが「後ろから追いかけてきて頭を殴りつけて」くるんですね。構造だけで名作です。

最後はやはり打ち切り予告されてたのか、あっけなく終わってるのですが、ちゃんと風呂敷は畳み切っているので、打ち切り感はあまり感じません。
でももうちょっと続いても良かったかも。

ですが短いのは悪いことではありません。その分だけ濃度は濃くなっています。夏休みより短いお休みにどうでしょうか?

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