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猫たちの聖夜(著:アキフ・ピリンチ)【猫だって読書紹介はするさ。こうやってご主人様が読んでいるまさにその時、本の上に飛び乗るんだ】

ナチスやソ連を舞台にした小説を取り上げてきたので、
今回は猫を主人公にしたミステリを紹介してみます。
・・・・本当に猫です。

主人公の猫は、謎の妊娠したメス猫連続殺(猫)事件を追いかけます。
猫の世界には、刑事とか探偵とか存在しないけど、
まあ探偵ポジションですね。
彼の名前はフランシス。

猫の名探偵フランシスは、非常に頭の回転が速く、この事件にたいして自己の信条をもって、調査に取り組みはじめます。
(猫だけにお金が目当てじゃない)

そして殺されたメス猫の一匹が、とあるボス猫の情婦だったことも判明して、この暗黒街の黒幕からの支援も取り付けます。
こんな感じで話が進んでいくのですが、謎の日記みたいなものに出会います。

その日記には人間たちが行っていた驚愕の医療実験のことが書かれていた!

いわく細胞をくっつける接着剤。
そう、これがあれば、もう手術の切開後を糸で縫い付ける作業は必要なくなります。
ある人間の医師は、その開発にみずからの医師人生を賭けるのですが。
残念ながら、その接着剤の効果があるのは、ある特定の(具体的に言うとたった一匹の)猫だけでした。そして・・・

追記:私たちの現実には、その接着剤はすでに実在しています。ああぁぁぁ

まあ、そんな医薬品が出てくる前の小説ですけど。

ミステリとしてはそんなパンチ力のある謎解きではありません。
ただ事件の真相がね。
あまたのミステリの中で、これほどまでに印象深い真犯人も少ないのではないでしょうか?
どうしたって。これは人間界で起きたある惨劇を連想してしまいますよね。

読後感も良いものです。
ミステリらしからぬ読後感が爽やかに晴れわたる作品。
これ、ミステリとして作ってないな。
そういうことだ。

ほとんど唯一の猫の名探偵が登場するミステリ。
(他にもたくさんあるかもしれないけれど)
ミステリとしては物足りないかもしれないけど、
小説としては、納得の面白さです。

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