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11月読んだ本

書けるときだけでいいから日記を書いていきたいなんて言って、本当に3日坊主もいいところでとまっている状態ですが、すいません。
元気です。

元気だけれど、ずっと忙しくて、あれやこれや手が回ってない状態。
1人で店をやるって、改めて大変ですね〜。
でも間違いなく充実はしています。
楽しい。これが大事。

その月に読んだ本をメンバーシップのメルマガでまとめているのですが、せっかくだから読んだ本の感想はみんなにシェアしたいなと思いまして(今までもそうしてきたし)、すでに書いたものなのでアップもしやすいと思ってのせていきます。

毎月あまり数は読めてませんが、なかなか濃い読書ができていると思っています。
今月末か、年明けには年間ベストやりたいなーと思っています〜。

じゃあさっそく読んだ本の感想です。

読んだ本1冊目は
『闇の奥』コンラッド 岩波文庫
遠い記憶の彼方で読んだと思うのですが、ほとんど忘れていたので再読しました。言わずと知れた映画「地獄の黙示録」の原作です。
前に読んだ印象が底知れぬ暗さという感じだったのですが、やはりその印象はそのままの作品でした。だけど、こんなに読みずらかったかなという翻訳でさすがに1958年刊行は時代を感じすぎましたー!
今新潮文庫から新しいのが出ているのでそっちを再読すればよかった(笑)
簡単に説明すると、アフリカ、コンゴの開拓をする白人たちが現地の土人(ママ)たちの中に入っていく様子をじわじわと未知への恐怖を交えながら描写していくという物語。ラストの「地獄だ!地獄だ!」というセリフはあまりに有名。だけどどういう状況でそれが発せられたのか、読んでいくと本当の恐怖が見えてきます。帝国主義の闇とも読めるけど、人間は未知のものへの恐怖は無限に広がっていくものなんだと心から思いました。なんかあらためて映画も見たい。シュワちゃん。。


2、3冊目はおなじみ
『本の雑誌』9月号、10月号 本の雑誌社
今月は2冊一気読み。いつもこの雑誌けっこうすみずみまで読んでしまうので時間がかかるんですが、今回はいきおいづいて2冊いっちゃいました。
特集は9月号が「平凡社は本当に平凡なのか」10月号は「この人の本の紹介が好き」です(すいません、過去の号を未だ読んでます……)
いや平凡社は出版社の名前なのですが、自分で「日本で1番平凡な名前の平凡社」とキャッチコピーをつけているへんな会社で(失礼!!)、そんな会社が本当に平凡なわけがなく、結局はこの特集も平凡社のとんでもない非凡さを暴露する回となったのでした。とにかく一時期平凡社で寝泊まりしていた荒俣宏さんがすごすぎ。そして出版社って社員でもない人が普通に入り浸っていたり、酒盛りしてたり、果ては寝てたりとなんでそんなことが起こるのかまったくわからないことが次から次へとおこるんですね(これたぶん平凡社に限らずだと思う)。謎多き出版社、、、怖いもの見たさでのぞいてみたい、、、
10月号の”本の紹介”とは、SNSなどで人気の本の紹介をしている人たちからそれを生業にしている書評家までさまざまな人たちの本の紹介に関するこだわりを追求している回で、これまたわたしも本の紹介をしている立場でもあるので、興味深く面白く読みました。ブックチューバーから書評家までみんなそれぞれどこで誰をターゲットとしてどんな本をどのように紹介するのか……それぞれこだわりが違っていて勉強にもなりました。

4冊目
『両方になる』アリ・スミス 新潮クレストブックス
これは本当に今年1番驚いた本でしょうね。よくこのしかけにGOがでたなぁと、本当にびっくり。
※このしかけについて知りたい方は必ず『両方になる』を読んでから、新潮社のホームページからクレストブックスのフェア小冊子のところの訳者、木原善彦さんが同書について書いているところをご参照ください。
アリ・スミスがなぜこのしかけをしかけたかったのか。読後けっこうずっと考えているのですがこれという答えは出ていません。”両方になる” ということは間違い無くひとつのキーワードだと思いますが、わからないなりにそれを考え続けることもこの本を読むことの一部なんだろうと思います。
読むと本当に細かいところまでこだわって書かれているのがわかります。現代パートのジョージが主人公の文章は軽快でカッコ書きも多くカジュアル。でも中世のイタリアパート、フランチェスコが主人公の方はわざとわかりにくい書き方をしているとしか思えない表現がそこここにあり、文章もとっつきにくく読みづらいものになっています。
そして、その二つの物語が時間を超えて交わり、お互いがお互いを両方であると意識するという点がこの物語の肝であるのかなぁと今のところわたしは感じています。これ、また再読することによっていろいろと変わってくる部分があるかと思うので、ぜひまた読んでみたいと思いますが、とにかく今はこんな作品を生み出したアリ・スミスの天才っぷりに脱帽し、そして文章からあふれでる男だって女だっていい。現代でも過去でもいい。生きていても死んでいてもいい。そのままの自分でいいという本当に大きな愛。それをすごく感じて優しい気持ちで本を閉じました。
今のところ『秋』と『両方になる』を読んで、なんとなくアリ・スミスは最後まで味方でいてくれるという気持ちを読んだ人みんなが持つような作家だと思います。
そういう作家が現代にいて作品を発信し続けてくれるということは、なんと心強いことでしょう。このあと四季4部作も読んで応援していきたいと思いました。

先月はこんな感じの読書でした。
本当に濃い2冊プラス本の雑誌だったなと思います。
また今月の読書も最初から濃いにおいがぷんぷんしているので、お楽しみに。

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