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2019年1月後半公開の気になる【映画】

いやほんと豊作すぎる1月後半(予想です)。あまりに観たい新作映画が多すぎて、ポップコーンデブになりそう。

公開順に10作あげてみました。 
ほんと、ポップコーンデブになりそう。

<10作ピックアップ>
▼1月18日公開〔2作〕
「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」
「チワワちゃん」
▼1月19日公開〔2作〕
「愛と銃弾」
「バハールの涙」
▼1月25日公開〔5作〕
「十二人の死にたい子どもたち」
「あした世界が終わるとしても」アニメ
「ナチス第三の男」
「サスペリア」
「LE CHOCOLAT DE H」ドキュメンタリー
▼1月26日公開〔1作〕
「パラレルワールド・シアター」

▼1月18日公開〔2作〕

「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」

青春名作小説『ライ麦畑でつかまえて』の作者J・D・サリンジャーの半生を描いたドラマ。32歳で初長編である同作を発表し、人生を大きく変えることになったサリンジャー。世界中の人々はもちろん勝手に彼の作品に自分やら思い出やら幻想やら鬱屈やらを重ねるけれど、重ねられた本人は、まぁ、きっとつらくもあるんでしょうね。ニコラス・ホルトがタバコの煙をくゆらせるポスターがいいんだけど(タバコが象徴的という古い価値観がもうすでに哀愁)、あと、ケビン・スペイシーが出ていますね……(109分/2017年アメリカ製作)

「チワワちゃん」

岡崎京子が94年に描いた漫画の実写化。予告を観て驚いた。わたしが漫画『チワワちゃん』に持ってるイメージとぜんぜん違うのに、そのまんまだった。90年代の『チワワちゃん』の雰囲気を携えながら、平成の彩りが鮮やかだった。
近年も『リバース・エッジ』が大切に実写化されていたりと、ファンとしては嬉しいし、ああ多くの映画製作者が実写化したいのかなと、その存在の大きさを実感します。門脇麦さんという信頼できる俳優さんが主役で、ありがたい。(104分/日本)


▼1月19日公開〔2作〕

「愛と銃弾」

もうこの古くさいビジュアルからして良いんですが、ミュージカル、ノワール、ロマンス、アクションなどさまざまな要素がてんこもりのイタリア映画ということでわくわくする。ストーリーももうあんまり難しいこと考えなくてよくて、クールな殺し屋が目撃者の女を殺そうとするが、彼女はかつての恋人で、気づいた二人の恋はさらに燃え上がり、殺し屋は裏社会から逃れようとする……といういつの時代のメロドラマなのか。イタリア映画ってメロドロだけど笑えたり、ずばぬけて痛快だったりするから、今作はどうだろうなぁ。超期待高まる。イタリアのアカデミー賞にあたるダビッド・ディ・ドナテッロ賞で15部門ノミネート、作品賞など5部門を受賞。(134分/2017年イタリア)

「バハールの涙」

ISの映画は、これからもどんどん出てくるだろうし、たぶん、描き続けないといけないんだろうなと思います。
これは、母の物語。ISの捕虜となった息子を助けるため、武装部隊のリーダーとして最前線で戦うクルド人女性。そんなひとりの母・バハールの姿を、戦場記者マチルドの目を通して映していく。監督自らクルド人自治区に入り、女性戦闘員たちの取材にあたって描いたそうです。

“女に殺されると天国へ行けない”
とイスラム国では信じられている

第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品。(111分/2018年フランス・ベルギー・ジョージア・スイス合作)


▼1月25日公開〔5作〕

「十二人の死にたい子どもたち」

堤幸彦監督の映画で、原作は冲方丁さん、脚本は倉持裕さんと、「相性良さそうな人を揃えてきたなー」という感じ。さらにキャストも力を入れてて、若手の魅力的な俳優が多い。杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈などなど。あらすじは……安楽死をするため閉鎖された病院に集まった12人の少年少女。しかし、いるはずのない13人目の死体を見つけたことから犯人捜しがはじまる……。
わたしは日本のSF小説大好きなんですけれど、(こそっと)冲方丁さんはあんまり好みではないんですよ……「お、すごいな」とは思うので、あくまで好みの話なんですけれど。でもね、SFじゃなくてミステリーやサスペンス、似合う気がするんですよね。そういう意味でも期待です。脚本の倉持さんも軽くも不穏な台詞展開は、エンタメ系ミステリー映画に合いそうです。
それにしても日本の映画サイトって重いし見づらいなあ……(118分/日本)

「あした世界が終わるとしても」

オリジナル劇場アニメです。テレビやネットとセットになってる劇場アニメには辟易していたのでオリジナルはありがたいですが、オリジナル劇場アニメって、良作駄作の振り幅がでかいなーと思っていて。
あらすじを追ってみても『幼い頃に母を亡くして以来、心を閉ざしてきた高校3年生の真と、そんな彼をずっと見守ってきた幼なじみの琴莉。ようやく一歩を踏み出そうとした2人』とまで読むと「あ、やば。なんでアニメでやるのそれ?」なんですけど、『2人の前に、突然、もうひとつの日本からやって来たもうひとりの“僕”が現れ……』とくると一気に期待が高まりますね。ただアニメって幅広い観客層に向けているので、SFになると「えーちょっとそれでSFとか名乗るとFワードなんですけど」というものも多いので、どうかなあ……。そしてジャンル“アクション・ラブストーリー”の謎。
まぁ、声優が俳優ではなくて、梶裕貴さんなどちゃんと実力派の声優さんたちが揃っているので、そこはもう期待大!主題歌があいみょんというのもポイント高いです。(93分/日本)

「ナチス第三の男」

ヒトラーも恐れたといわれる“第三の男”ラインハルト・ハイドリヒを描いた映画。第2次大戦下のナチス・ドイツでヒトラー、ヒムラーに続く「第三の男」と称され、150万人を超えるユダヤ人虐殺の首謀者として絶大な権力を手にしていたと言われています。ヒトラーに次ぐナチスNo.2だったとも。
このハイドリヒですね、ヒトラーを主人公にした映画でも、とにかく厳格で残虐非道でめっちゃ怖い人として描かれています(ホント、どこの映画でも怖い)。過激さを増す彼の暴走。それを止めるために、チェコ亡命政府から2人の若い兵士が送り込まれる……という、世界的ベストセラーローラン・ビネの小説『HHhH プラハ、1942年』の映画化。

つ・ま・り!

これは「エンスラポイド作戦(類人猿作戦)」ですね。1942年、ハイドリヒ暗殺のために命を賭したチェコの若者たち。彼らのことはいろんな映画で描かれてますけどね、『死刑執行人もまた死す』『暁の七人』『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』……どれもね、観た後の絶望的なやるせない気持ちにかなり長い間立ち直れないわけですよ。暗殺者の視点ではなくハイドリヒを主軸にしたということなら、そこまで落ち込まなくていいのかもしれませんけどね、でもね、歴史に思いを馳せるとね……ウッ。戦争、虐殺、強すぎる思い、暴力……嫌ですよ……。平和万歳。
ちなみに原題は「The Man with the Iron Heart」。つまり直訳すると“鉄の心臓を持つ男”。(120分/2017年フランス・イギリス・ベルギー合作)

「サスペリア」

ホラーは駄目なんですけどね。映画史に名を刻むダリオ・アルジェントの傑作ホラーのリメイクということで、注目。それに、大胆にアレンジしているようですし。物語の舞台が、ベルリンの世界的舞踊団“マルコス・ダンス・カンパニー”というのもいいですね。コンテンポラリーダンスのビジュアルがとにかく美しい!!!!振付はダミアン・ジャレですよ(イギリスでローレンス・オリヴィエ賞を受賞したコンテンポラリー・ダンス公演『バベル』の振付師のひとり)!!!主演はダコタ・ジョンソンで、そこに加わるカリスマ振付師役のティルダ・スウィントン、あとクロエ・グレース・モレッツも共演。なにこれ豪華。さらに音楽はレディオヘッドのトム・ヨークだし、監督は『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督。ほいきた。

……でも、まぁ、

「決してひとりでは見ないでください」

とあるので、注目するだけで見ないかもしれないんですけどね……。(152分/2018年イタリア・アメリカ合作)

「LE CHOCOLAT DE H」

世界的なショコラティエ辻口博啓のドキュメンタリー。読み方は「ル ショコラ ドゥ アッシュ」、辻口さんの創作ショコラ店の名前です。
流れるように自由だけれど、とろみが重力を感じさせる。茶色く輝くチョコレートの美。世界中で人々を魅了する至高のスイーツはショコラといっても過言ではないと思うのですが、舌の上でとろけ、豊満な香りが喉の奥まで入り込んでくるような、そんなショコラが、視界に迫ってくる。目頭や目尻の隙間から、チョコレートが身体の奥を浸食してくるような、とにかく、映像からオシャレと旨味が溢れている

辻口さんは、和菓子屋の三代目に生まれ。洋菓子職人を目指して上京したのち23歳という当時最年少で「全国洋菓子技術コンクール」優勝。数々の優勝経験を持つパティシエ、ショコラティエです。1998年に自由が丘で『モンサンクレール』をオープンしてからは、フジテレビ『料理の鉄人』で菓子職人初の優勝を果たすなどご存知の方も多いでしょう。その辻口さんが、新作チョコレート制作のため、エクアドルでカカオ探求など素材探しをする旅に密着。創造の全過程をドローンや超ハイスピードカメラといった最新の撮影技術を駆使した映像で映し出していくという凝りよう。これ、お菓子の世界の話なんですかね?そうやって凝縮されたチョコレートは、人間の口にすいこまれ、舌で転がされ、豊潤なテロを起こすんでしょうかね?……なんてダイナミック!配給はテレビ朝日映像。(80分/日本)


▼1月26日公開〔1作〕

「パラレルワールド・シアター」

これは小劇場好きとしてチェックしておきたいなあという作品。売れない小劇団のアラサー団員たちが直面する夢と現実を、劇団が上演する劇中劇の内容と交錯させながら描いた人間ドラマという、もう、予告だけでぞわっとするような大人の青さ。いいですね、好きですね、こういうの。

<あらすじ>
東京の小劇団「クオンタムフィジックス」を主宰する佐々木は、30歳を目前に控え、劇団を立て直すため3年ぶりの大きな公演を打とうとする。それは、パラレルワールドを行き来する時間旅行者たちの悲しい運命を描いたSF作品だった。しかし、旗揚げから一緒に活動してきた相棒で看板女優の中川はすでに就職。他の現役メンバーや元劇団員も、それぞれ割り切れない思いや事情を抱えており……。

完全自主制作の長編映画として、クラウドファンディングで128万5000円を集めて制作。監督・脚本は、自主制作のWEBドラマ「現実拡張 スマホ仮面」シリーズなど、インディーズで映像作品を手がけている堤真矢さん。(121分/2018年日本)

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あとは神保町シアターで1/19~2/15に上映している「こわいはおもしろい ホラー!サスペンス!ミステリー!恐怖と幻想のトラウマ劇場」も良いですね。『地獄』『みな殺しの霊歌』あたり観たいですね。『リング』シリーズもやっていますけれど、ホラーは勘弁で。また神保町シアターは春にリニューアルするらしいので、綺麗になる前にこわい映画を観るにはぴったりですね。ホラーは観ないですけれどね。

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