見出し画像

湯たんぽ

湯たんぽをもらった。
やわらか湯たんぽというらしい。
人気有名メーカーのヒット商品らしい。
素材がウェットスーツの生地で体にあてるとめちゃフィット感がある。
ぴたっ! とくる、水に濡れてもすぐ乾く、優れものすぎる。温い!
こいつが、アザラシ型なのだ。
古いアニメ(漫画)『少年アシベ』で主人公が抱えているアイツに似てる。
猫型もあるらしい。これは猫型ロボットではなく普通の猫らしい。
勿論ノーマルに丸いやつとかはあるみたいだけれど。
縁あっていただいてわたしの元に来たのはアザラシ。
という訳で寝る時は勿論PC前に居る時も膝の上にずっとアザラシを置いている2023冬。
ふと目をやるとこちらを見ている。愛着がわかない訳がない。
ペットである。いやファミリーである。相棒である。いやマジで。
 
前号の『暮しの手帖』特集のことは少し前にも書いた。
特集「これからの暮らしの話をしよう」はどれも「ああ、いいな」だったのだが、
小説家の村田沙耶香と評論家の荻上チキの対談もおもしろかった。
タイトルは、「こうあるべき」から脱したら新たに見える風景がある、だ。
日頃のSNSとの向き合い方や付き合い方や、
ネット上での議論いや言語空間について思うこと、
自分や他者の主観について、だから他者の考え方を想うこと、
からの、あたらしい時代やあたらしい物の見方について思うこと、などなど、
とても読み応えがあった。

村田沙耶香さんの著書は『信仰』がめちゃくちゃおもしろくて、
他の作品も読みたい読まにゃ、となっている。
 
なので「あの作品を書いた人の考え方や頭や心の中」を、
こうして読ませていただけたことが、ああ、うれしかったなあ。
 
チキチキの言っていることや書くことに関しては「うんうん」のときと「んー?」のときもあるけれども。笑

 この対談で、村田さんが言われていたうち、興味深かったこと。
 
輸入雑貨店で山積みで売られていたハリネズミのぬいぐるみ、
の中の1匹なのだけれど、
買って名付けているともう家族だ、と話す。
他の人が同じぬいぐるみをSNSにアップしていても可愛いとは思う、
けれどわたしにとって大事なのはこの子だけで、
でもそれは「選別」じゃないか?
 
という自問自答、
と、人間の残酷さについて。
 
作家でぬいぐるみが大好きな人の代表格というとSF作家の新井素子が居る。(大好き!)。
 
彼女に「愛情に偏りがあるのはどうしたらいいですか?」と訊いた。
返ってきた言葉は「それはしょうがない」だった。
でもそもそもぬいぐるみが人間にかわいがられて喜ぶであろうという発想が
おこがましく傲慢かな? これはハラスメント?!
ぬいぐるみも、リアルなペットにおいても。
みたいなことも、語られていて。
 
からの、映画『トイ・ストーリー』の話、
他者からみて「いいもの」、本人にとっては思い入れのあるもの、
誰かの〝セルフケア〟を馬鹿にできないという話についてと、
他者理解や孤独や、からさらに、さまざまな物の見方について広がっていった。
 
うわあ、興味深い。
 
でしょう?
 
と、膝にアザラシを乗せている人間は思い、アザラシを乗せながら書いている。
 
そうなんです。こいつはアザラシじゃないんです。
湯たんぽでもないんです。湯たんぽだけど。
 
なんの話や。
 
要は、あったかいな、ということ。
 
だと、思うのです。思ったり、したいのです、いや、するのです。


◆◆◆
【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、亡き関西の喜劇作家、大阪を愛するエッセイストに師事し、大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。

lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
【Twitter】【Instagram】 など、各種フォローも、とてもうれしいです。

詳しいプロフィールや経歴やご挨拶は以下のBlogのトップページから。
ご連絡やお仕事の御依頼はこちらからもしくはDMでもお気軽にどうぞ。
めっちゃ、どうぞ。

Webマガジン「Stay Salty」Vol.33巻頭に自己紹介エッセイを寄稿しています。

12月Vol.34からは不定期コラムコーナー「DAYS」にも参加しています。

わたしのページに直接飛ぶにはこちらから!

東京・湯島の本屋「出発点」では2箱古本屋もやっています。
営業日と時間は「出発点」のXをご参照ください。
ぜひぜひ遊びに来て下さい!  自己紹介の手書きペーパーもあり!

読書にまつわるエッセイ集(ZINE)、
tabistorybooks『本と旅する』もお店と通販で取り扱い中。

旅と思索社様のWebマガジン「tabistory」では2種類の連載をしています。
酒場話「心はだか、ぴったんこ」(現在19話)と
大事な場所の話「Home」(現在、番外編を入れて4話)です。

noteは「ほぼ1日1エッセイ」、マガジンは6つにわけています。

旅芝居・大衆演劇関係では各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
YouTubeちゃんねるで過去映像が公開中です。
こちらのバックナンバーも、さきほどの「出発点」さんに置いています。

あなたとご縁がありますように。今後ともどうぞよろしくお願いします。

楽しんでいただけましたら、お気持ちサポート(お気持ちチップ)、大変嬉しいです。 更なる原稿やお仕事の御依頼や、各種メッセージなども、ぜひぜひぜひ受付中です。 いつも読んで下さりありがとうございます。一人の物書きとして、日々思考し、綴ります。