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百瀬七海
2019年11月30日 22:44
気持ちいい秋晴れの空。冷たい空気に負けないように、校舎の屋上に降り注ぐ太陽の光。私は、軽く伸びをすると、持っていたトランペットをもう一度構えた。中学時代、吹奏楽部がなかったこともあり、高校に入学して、やっと念願の吹奏楽部に入部することができたのはよかったけれど、私以外の部員は全員中学時代からの経験者。しかもコンクールで優秀な成績を残して来た人も多く、初心者の私にとっては決して居心地の
2019年11月28日 21:32
「ちょっと、淳弥くん、くすぐったい」背中にすーっと線を引く淳弥くんから、逃げるように身体をそらす。それを見ながら拓がくすくす笑った。「告白大会でもするか?」「告白大会?」拓の言葉に、私と淳弥くんは顔を見合わせる。「今思ってることを背中に書く。チャンスは一度。わからなかったら、それでおしまい」「おーっ、いいね。拓の浮気心とかわかるかもしれないなー」「ばーか、俺はずっと理
2019年11月26日 23:14
叶わないとわかってる。あなたの求める女が、私ではないことは、他の誰でもない、私が一番よくわかってるから。"友達"という、都合のいい立場を選んだのは私だ。その理由は、このもやもやと真っ黒な気持ちをいつまでも浄化させてくれない。"恋人"なら別れることがあっても、"友達"ならずっと一緒にいられる。臆病な私は、そんな狡い理由だけをいくつも並べて、あなたと隣にいる彼女の不幸しか願えない。