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創造の深淵からこんにちは

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2019年1月の記事一覧

Μμ  ∝  Ωω

Μμ ∝ Ωω

目の前を覆うように垂れ下がる一面の蔓には、ところどころ美しい紫色の小さな花が咲いていた。

雨粒の雫が、葉をつたいつたい、繋がりながらも、静かにしたたりおちていた。

この先へは、進ませない。

かつて、そう結界が張られていたのだろう。

私は、持っていた大剣を差し出し、たくさんの蔓を傷付けないようにソッと右に寄せた。

中をのぞいて、息を飲んだ。

まるで別世界のまるい空気とはじける色彩たちが、

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無題 Ⅰ   (夢の創作物語)

無題 Ⅰ (夢の創作物語)

蒼白い子供たちは、たしかにあの区域にいるはずなのだ。

わたしは、微かな望みを頼りに、ボロボロになった埃まみれのマントを身にまきなおし、

砂に埋まり始めた瓦礫の上を、足早に駆け抜けた。

顔にあたる細かい砂嵐が痛く感じていた。先程より視界も悪くなってきたな、そんなこともぼんやり思った。

見渡す限りの廃墟郡と、いつの時代の戦いの残骸かわからぬ鉄クズたちが、異様なカタチにひしゃげ、隙あらばこの首を

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3分間

3分間

いつもの3分間という、毎朝訪れる、光と私と無の時間帯について、とても長い文章を書いたのだけれど、途中で、こんなものを書いて、いったい誰が読んでなんになるのか、私というものが捉えている感覚について書き記したところで、目の前がアルプス山脈になるわけでも無かろうに…と、思い直して、下書きのまま放置している。

いずれ気が向いたら、また執筆しようかとも思う。

そして、気がついたら、今年ももう5日も経って

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