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【短編小説】A Happy New Year

#HappyNewYear #短編小説 #フィクション #ユーミン #松任谷由実 #ひきよせ #幸せ #沢山のいいこと #幸運の女神

2023年 A Happy New Yearです。
本年もよろしくお願いいたします。
着実に「赤い、ちゃんちゃんこ」へ向かって
秒読みしていますが、まぁそんなことは
どうでも良くて、どう人生を生きたか
何をこの世に残したか?残せたか?に
こだわって、前のめりで逝けるように、
永遠のティーンエイジャーで居られるように。
今年も全力と手抜きの両立でまいります。

毎月1日は小説の日と、自分に足かせをしましたが、
今年も、足かせのまま、物語を紡ぎたいと思います。
今回のテーマはユーミンの曲から・・いただきます。

【短・短・短編小説】A Happy New Year

レイカは急ぎ足でトモキの元へ向かっていた。
クリスマスも、バイトが忙しくてすれ違い。
トモキの心が自分から離れていってしまう。
そんな不安を抱えながら、
スーパーのレジ打ちと居酒屋のバイトの日々だった。
夜中にトモキへ送るLINEも未読のままの事が
多くなっていた。

1月1日はバイトも休み
トモキに会える。
そう思うといてもたってもいられず
12月31日、居酒屋のバイトが終わる23時
トモキのアパートへ向かっていた。

もしかしたら、
別の人と過ごしているかもしれない。
泣きそうになる自分を奮い立たせ、
焦る心を抑えきれず、
最後は小走りになっていた。

トモキのアパートには灯りがあった。
近くの神社から、
除夜の鐘の音が聞こえていた。
そういえば、トモキのアパートへ急ぐ間
何組ものカップルとすれ違った。
二年参り、初詣へ向かう恋人達だったのだろう。

レイカは勇気を出して、
インターフォンを押した。
すぐにトモキの声が返ってきた。
レイカは声が出なかった。
しばらくの沈黙・・・
トモキは、
「レイカだね、ちょっとまってて」
すぐに、アパートのドアが開いた。
そこには、レイカが、会いたくて、
会いたくて、しかたがなかった、
トモキが居た。

「あの・・」

「何も言わなくていいよ
 わかっているつもりだから
 僕も会いたかった」

そういうとトモキは
優しい顔でレイカを抱きしめた。
レイカの眼から、涙がこぼれ落ちた。
今までこらえていたものが、
幾粒も幾粒もこぼれ落ちた。
トモキは黙って、レイカの唇にキスをした。
「A Happy New Year
 レイカ、今年も一緒に
 沢山幸せを見つけようね」

そう言うと、
さっきよりも強くレイカを抱きしめた。

おわり。

2023年も皆様に沢山いい事がありますように。
そして、いい事を、幸せだと感じる事を
「ひきよせる」力を・・・授かりますように!

今年も感謝感謝の年にしてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。


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