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97:葉桜

こんにちは、久しぶりにエッセイを描こうと思います。

突然ですが、私は千葉のとある田舎町出身です。
今は都合でここに帰ってきています。
ゆったりとした時間経過、自然に囲まれまくっているこの町に戻り、
ただただ懐かしい気持ちを感じております。

最近は、毎朝散歩をするのですが、
その道すがら、少し花びらが散った、
いわゆる葉桜を見つけました。

ピンク色の花びらが少し落ち、
黄緑色の葉っぱが映えだし、
蛇苺の色をした花弁が、少ししぼみ出していました。

葉桜を見ると、私はいつも新しい日々の始まりを予感させられます。
普通は、あの満開の桜が印象に残っている方も多いかもしれません。
しかしながら、私はこの葉桜を満開時より気に入っています。

お花見シーズンも終わり、皆が通常の生活に戻っていく。

学校はガイダンスが終わって、通常授業が始まり、
会社は初期の研修から、業務内容の細かい研修に変わり、
社会は桜から目を落とし、前を向いていく。

人々に元気と救いを施し、散り葉が芽吹くと、
桜の木を見ることも無くなっていく。

そんなある意味、
役目を終えた花びら達や、
枝の一本一本が、
如何様にも美しく見えるのです。

同じ桜であっても、
たまにがっかりされることもある葉桜。
人間のエゴは醜いですが、
美しく儚い存在感がありました。

明日もまた散歩しようと思います。

人は新たな春を待ち望み、
桜は新たな明日を待つ。






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