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「内観」って知ってる?

「内観」とは。

雑に言いますと、

・誰かに対して自分が「していただいたこと」

・「して差し上げたこと」

・「ご迷惑をおかけしたこと」

の3つを調べるというものです。


母親でも父親でも、他の親しい人でも構いません。

本来は幼児の時、小学生の時など区切ってやりますが、日常やる分にはその日一日のことを調べる、でいいです。

例えば…

していただいたこと:夕食を作っていただいた、ペンを貸していただいた、面白い番組を教えていただいた

して差し上げたこと:調べ物をして差し上げた、帰る時間を連絡した、子供が欲しいものを買ってきた

ご迷惑をおかけしたこと:夜中に歌って寝ている人を起こしてしまった、並んで歩いていて人の邪魔になってしまった、集合に遅刻してしまった

といった感じです。


これを1日3分でいいので毎日続ける。

1週間程度連続して行うセミナーのようなものもありますと。


私は1日集中内観のプログラムに昨秋参加し、そこからしばらく毎日行っていましたが、そこでやってみて分かること。

「して差し上げたこと」がとにかく少ない。

これは誰でもそうなると思います。

その時はまず母親に対しての内観をしました。

やる前は、昔に比べて自分は成長しているし、できることも能力も上がっていると。自分でそう思っていました。

しかし、母親にして差し上げたことを考えてみると。

昔から今まで何もしていない。

この点においては成長などしていなかった。

むしろ実家にいてたまに手伝いなどをしていた昔の方がましかもしれない。

これでは親孝行どころか、親に心配をかけ続けているだけです。


帰省するといつも心配されるのを疎ましく思っていましたが、内観後は申し訳なさしかありません。

実家を出てもろくに連絡も近況報告もせず、せいぜい初任給でちょっとしたプレゼントをしただけ。

自分の成長しか考えなくなっていた視野の狭さに気づきます。


そして今年に入って、毎日の内観をやらなくなっていましたと。

そうしたら大切な人(家族ではない)との関係が切れそうになってしまったことがありました。

その時は相手のおかげで切れずにすんではいたのですが、このままではすぐまたピンチが来そうだと。どうしたもんかね。

というわけで昨日内観のことを思い出し、その人に対する今までの内観をしてみました。

そうすると、出てきたのは今までにない思い。

愛しくなって、LINEに「早く会いたい」と返しました。

すると「そんなこと言うの珍しい。嬉しい」と。

その時の自分は、その前の日の自分より少し、愚か者じゃなくなったかもしれません。


しかし。内観とは一回やればいいというものではなく。

これこそ積み重ねが必要です。

昨年言ったプログラムで言われたことは、内観は電線のようなものだと。

電線は柱と柱を線でつなぐ。

1日や1週間、集中して内観を行い、一本の柱を作る。

それから毎日短時間でも実践し、線を伸ばしていく。

そしてまた集中して行う時には次の柱が立つ。

またそこから線で伸ばしていく。

という要領です。


今まで長年自分のエゴにまみれているので、しっかり習慣づける必要があるということですね。

内観の教授自身も、空いている時間に何をしているかといえば、ズバリ内観をしていると。終わりはないんですね。


「していただいたこと」には、

・乗ったバスを運転していただいた運転手

・そのバスが通る道路を作ってくださった人

・その道路に白線を引いてくださった人

・そこに道路を作る計画を立ててくださった人

・道路の材料を運んできてくださった人

・そのバスのダイヤを管理してくださった人

・そのバスのタイヤを作ってくださった人

・そのバスを点検してくださった人

・そのバスの運行状況をシステムで監視してくださった人

・そのバスに道を譲ってくださった人

など、小さなことでもいくらでもありますね。


でも今までの自分は気づけません。

1つ1つの小さないいことに気づくきっかけであり、自分がいかに恵まれているかを自覚するためのきっかけ。

それがどう生きるかは人それぞれですが、ストレスで苦しい、死にたいなんて人が一変するきっかけにもなり得ます。

内観という手法がなかった国の人に広めたところ、「あと10年早く知りたかった、知っていればこんなことに10年も悩むことはなかった」と思う人もいたようです。

自分の性格が嫌いだとか、変えられなくて困っているだとか。

逆に自分は優しい人だ、孝行息子だと思っている人にも。


物語的に言いますと、

・罪の自覚をし

・自分の中に内在する神性に気づき

・悔い改め贖罪をし

・聖人に近づいていける、といった所でしょうか。


機械的に言いますと、

・過去の自分の行為を先入観を排して分析することで

・改善点や他者から頂いた利益、他者に与えた迷惑・損害を認識し

・より他者を利する行動を自然に選択できるようになる、といった所でしょうか。


お金の話なんかでもありますね。

自分のためにお金を稼ごうとする人にお金は集まらず、

他者に感謝し利他的な行動を取る人がお金を得る。とか、

自分のためにお金を使うより、

他人のために使った時の方が幸福度が上がる。とか。

お金より人だ、とか。

なんでそうなるのか、というヒントが内観の中にも隠されていると思います。


最近投資心理に興味があり、様々な理論・テクニック等を勉強していっているのですが、投資ですら利他的精神がどうのとか言ってますからね。

その根本を形成するメンタルを作る手助けとして、内観を行う。

目的があってもなくても、思考を変えたいと悩んでいる方は、絶対にやりましょう。

今の時代調べればやり方なんて3分で調べられますから。

巷で流行りのマインドフルネス瞑想などと並行して、

根本の思考を入れ替えていくためのメソッドです。

一緒に成長していきましょう。



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