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小説や音楽の、体言止めで名詞が列挙されている部分がめちゃ好きってだけの話 #とは

いきなりですが今回は、noteのハッシュタグ企画に乗っかって、僕の好きな「名詞が体言止めで列挙されている小説の一部分」の話をします。

小説とかで、よくあるじゃないですか。名詞がめっちゃ列挙されてる箇所。

例えば、「ハリー・ポッターと賢者の石」でいうところの、最初の大広間での歓迎会のシーン。

こんなにたくさん、ハリーの食べたい物ばかり並んでいるテーブルは見たことがない。ローストビーフ、ローストチキン、ポークチョップ、ラムチョップ、ソーセージ、ベーコン、ステーキ、ゆでたポテト、グリルポテト、フレンチフライ、ヨークシャープディング、豆、にんじん、グレービー、ケチャップ、そしてなぜか、ハッカ入りキャンディ。

(書影を載せたいだけで、別にアフィとかではないです)

こーいう、小説の中で名詞が列挙されてる部分、僕めっちゃ好きなんですよ。
名詞のチョイスにセンスとその小説の世界観が如実に表れるし、想像するだけで読んでる側は楽しい。

書く側としても、こういう列挙系の描写の時って意外と想像力が試されるし、大変だったりするので、参考になるという側面もあるんですよね。


「バーティミアス  サマルカンドの秘宝」で、主人公のナサニエルがスタッフのふりをして敵のもとに忍び込むシーンでも、食事内容の言葉が列挙されてるシーンがありました。

「(前略)ぼくがおぼえています。内容は、バルト海のチョウザメのキャビア、チドリの卵、生のアスパラガス、ボローニャのくんせいサラミ、シリアのオリーブ、中米のバニラの茎、プレスしたばかりのパスタ生地、ヒバリの舌のゼリー、大型カタツムリの貝殻つきマリネ、ひきたての黒こしょうと岩塩、ヴィラル半島産のカキ、ダチョウの肉……」

ハリーポッターより、料理の言葉が詳細に書いてある。笑
聞いたこと無い食べ物とかが中に混じってるとテンションが上がるんですよね~。


ファンタジー系だと食べ物以外でも、アイテムが列挙されているところとか燃える。
同じシリーズの「バーティミアスII ゴーレムの眼」では、こんな”列挙”がありました。

「金の延べ棒六本、宝石の埋めこまれた小型の彫像四体。柄にエメラルドを埋めこんだ短剣二本、縞メノウの宝珠、スズの聖杯、それと、ここが興味深いところが、黒のサテン地の魔法の巾着には、金貨五十枚が入っている」

「縞メノウの宝珠」とかね、グッときちゃうよ。
ファンタジーでのこういうアイテム系の列挙とかもう、完全にこっちをわくわくさせてくるためのパートですもんね。


あと最近のだと、まだ読んでる途中なんですけど、三秋縋さんの「君の話」にも、いい感じの"列挙"がありました。

必然的に、僕は書斎に属するあらゆるものが好きになった。古い本、LPレコード、地球儀、砂時計、マントルクロック、ペーパーウェイト、写真立て、ウォッカの瓶(ヒステリア・シベリアナという銘柄だったと記憶している)。それらは書斎を媒介にして灯花の体温や肌の感触と結びついていた。

書斎を構成する物品たちのおしゃれな列挙と、それが次の文の力を強めるブースターになってるのがたまんないですね。。。


あと、音楽でも名詞をいっぱい列挙するフレーズあったりしますよね。あれもめっちゃ好きなんですよ。
小説と同じく、センスが現れるし、その曲のトーンに影響するし。

JITTERIN'JINN「プレゼント」が代表格ですよね。
もう歌詞が全編、いかにカワイイ名詞を列挙するかで勝負してますもん。
”キリンが逆立ちしたピアス”から始まって、”グレイスケリーの映画の券”やら”ヘップバーンの写真集”やら固有名詞もバンバン出していくの、ほんと良いー。

Youtubeのリンク貼ろうと思ったけど公式のが無かったのでやめときます。


あとは、ラブリーサマーちゃん「わたしの好きなもの」もかわいいですね

辻利の抹茶 蟹のお雑炊
鳥の串カツ 生の汲み湯葉

食べ物のチョイスがほんまgood。
メロもアレンジもかわいいし、最後の音数が減っていくところもほんと好き。


……と、そんな感じで、体言止めで名詞が列挙されてるフレーズ、シーンが好きでーすというだけの話でした。
そういう企画ですもんね。

あなたのお気に入りの”列挙”があったら、ぜひ教えて欲しいです。



Twitterもよろしくでーす。


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