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今晩はカレーの日

私は食べるのも料理するのもけっこう好きな方だけれど、毎日ごはんを作らなければならないのは嫌だ。
子供の頃から、気分にムラがある、やる気がある時とない時の差が激しい、なんてことを通信簿などによく書かれてたな。

今日はこれが食べたい!あれ作ってみよう!と気持ちがノっている時はいいけど、今日は何も作りたくないなぁという時が困る。
この国にはファーストフードはあっても、お惣菜屋さんみたいなのはないし、外食もたいしたことなくてもすごく高くつく。
食べたいものは何でも自分で作るのが一番の近道だ。
だけど時々すべてが面倒くさくなる。

試しに、今日ご飯ないよと言ってみると、逆に夫は息子と一緒になって、やった!冷凍ピザが食べられる!と喜ぶことも多いので、私としては気が楽だけど。
夫もノっている時は頼まなくても自分からお菓子なども進んで作ってくれるが、平日はたいていお疲れだ。

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そんなこんなで晩ごはん作りが面倒くさくて、でも冷凍ピザも食べたくない時の最終兵器は、私の場合はカレーだ。
なんとなく今日はカレーかなぁと決めている日は、余力があれば朝にカリフラワーのピクルスを作っておく。
赤ちゃんの頭くらいあろうかという大きなカリフラワーを適当な小房に分けて固めに茹で、ジップロックに寿司酢と柚子胡椒と共に入れるだけ。あとは冷蔵庫で冷やしておくだけ。

あっという間に夕方になり…気怠くカレー作りにとりかかる。
ル・クルーゼの重たい鋳物鍋を引っ張り出し、鍋いっぱい溢れそうなほど作る。
具沢山が好きなので、冷蔵庫にある残り野菜を全部適当に切って入れる。この日は鶏もも肉、ニンジン、ナス、インゲン、パプリカ、玉ねぎ、ひよこ豆を入れた。
みじん切りした玉ねぎを飴色になるまでじっくり炒め、野菜類と肉も入れ蓋をしてしばらく蒸し煮したら、トマトピューレを1缶全部入れる。
カレールーはこちらでは贅沢品だ。日本の二倍以上の値段で売られている。だからルーをケチるためにもトマトピューレを沢山入れる。水は入れない。こうすると少ないルーでもけっこう濃くが出る。さらに濃くがほしい時は板チョコを2、3片放り込む。カレーはけっこう何でもありだ。隠し味に醤油をちょこっと垂らすこともある。味見しながらいろいろ足してゆく。
水煮してあるパックのひよこ豆を入れてしばらくしたら、ルーも入れて弱火でゆっくりコトコト煮込む。火を止めたら蓋をして1時間くらいそのまま放置する。

カレーが煮込まれている間、ふぅやれやれ…とベッドにぐったりして横たわる。おばあさんみたいになってきたな…私。やる気が出ない日は、なんだか体もかったるい。週の半分はダルいんだけど…。

完成したら、そこから三日三晩カレーの日となる。ごはん作りからの解放。
次の日以降の方が、野菜もトロトロに溶けて旨味が出て断然美味しい。
私と息子は朝からカレーでも全然OKなカレー好きだけど、夫はあまり好きではないようだ。これから数日カレーだよと告げると、げっ!?という顔をする。カレーを食べると少量でお腹いっぱいになりあまり食べられないという。不思議だ。

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昔カレーに凝っていた頃は、スパイスだけでカレーを作ったりしていたけど、あんまり本格的に辛いと息子が食べられないので今は作らなくなった。
この国ではスパイスはなぜか安くて種類も豊富だ。スパイス好きなので嬉しくてちょこちょこ買い足していたら、今やキッチンの壁に造り付けの調味料棚には、スパイス屋かって言うほどズラーッとスパイスの小瓶が三段にも渡って並んでいる。
なかなか壮観な眺めだ。その様子を見ては一人ニヤニヤする私。
しょっちゅうごはん作りが面倒になるのに、調理道具や食器を揃えたり、キッチンに居るのは好きなのだ。


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