【黙って、他の人間の様子見する】

ところが不思議なことに
何度も何度もしつこく同じことを聞かれると、
人間は、相手の気に入るような回答を出そうとしてしまうようだ。
ついに、俺の隣の猫田さんが妥協案を出した。
「イナゴはイナゴです。
嫌いだけれども、食わず嫌いかも、
餓死寸前で食べ物が他に無いなら食べるかな？」

これって…
よく冤罪事件で、よくある、
「やっていないのに、
尋問されて、
やってしまったと白状した」
状態なんじゃないのかな…?
結局、
いつまでも「たべられない」と言い張ったのは
大袈裟さんというオッサンだけで、
嫌いな食べ物はピーマン。

他の人間は、そこそこ妥協案を出して、
詰問から逃れようとした。
続きはまたするので、
一旦、ご飯になった。
張り詰めた雰囲気から解放された俺はほっとした。

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