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BOOK REVIEW vol.065 私のからだの物語

今回のブックレビューは、植物療法士/フェムティスト・森田敦子さんの『私のからだの物語』(ワニブックス)です!

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少し前に、森田敦子さんのご著書『潤うからだ』のレビューを書きました。

今までずっとタブー視してきた「女性の性とからだ」のこと。もう40年以上、私の中では“隠しておきたいこと”の一つでした。最初は、本を買う勇気も持てなくて…。でも、年齢とともに変わりゆくからだと、おや?と感じる不調の数々に、「このままでいいのだろうか」と不安と危機感を抱くようなったのです。そんな時に読んだ『潤うからだ』。優しく背中を押してもらたようで、「やっぱりこのままじゃいけない」と、ようやく自分のからだと向き合う決心がつきました。

今回の『私のからだの物語』は、森田敦子さんの最新刊。『潤うからだ』と比較するとページ数が大幅に増え、「幼少期〜思春期」、「青年期」、「更年期」、「老年期」という年代の流れに沿って、「女性の性とからだ」のことがとても丁寧に、優しい言葉でたっぷりと綴られています。

書籍の中で、森田さんも『性の育て直し』と書かれているのですが、40歳を過ぎた今、「幼少期〜思春期」の部分を読んでみると、知っているようで知らないことが多くありました。とくに日本に比べて、性が成熟しているヨーロッパの話はとても参考になります。もし、ヨーロッパが実践しているような、肯定された性教育のもとで育っていたら、一体どんな“私”になっていただろう?なんて、つい想像してしまいます。幼い頃から自分のからだのこと知り、女性性を尊いものとして受容できていたら・・・もしかすると今よりももっと、女性としての人生を楽しみながら、堂々と生きていたのかもしれません。

帯にはこんな言葉が書かれています。

自分のからだを
「自分ごと」として見ていますか?

『私のからだの物語』帯より引用

今までの私は、「自分ごと」としては見れていなかったなと思います。自分のからだなのに、どこか見て見ぬフリをしていました。心のどこかでずっと、「女性である自分」を閉じ込めて、否定していたのかもしれません。けれど、森田さんの文章を読んでいると、ずっと昔に植え付けられた、「はしたない」、「恥ずかしい」といった、性に対するネガティブなイメージは自然と薄れ、「女性としての自分を受け入れること」、「膣まわりの健やかさの大切さ」が、女性のからだと心の健康に強く結びついていることを、ますます実感しました。

もっと早く気づけばよかったとも思うけど、今からでも遅くはないから。まずは自分のからだと向き合い、今できることから始めていきます。いつまでも健康でいるために。女性らしく、いきいきと生きていくために。「私のからだ」をもっと慈しんでいこうと思います。

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