屍者の帝国/伊藤計劃 円城塔

https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309413259/

読了日2019/7/23
屍者が労働の担い手として普及する世紀末。最初の屍者とされるザ・ワンを求め、私は世界中を飛び回る。
キャラの魅力で読み続けていた。バーナビー、レット・バトラー、カラマーゾフなどなど海外文学で慣れ親しんだ名前が新たに命を吹き込まれて活躍する。私(ワトソン)も言うに及ばず。死を人類に取り戻さなければ、人類はたやすく滅びる。短期的な主題では信用に足らない逸話だが、ザ・ワンが求めていたのは世界や生命の本質ではなく、ただ一人の伴侶だった。大局を振りかざしていたザ・ワンとヴァン・ヘルシングだったものの、蓋を開けてみれば仲違いした似た物同士ともいえた。伊藤計劃3作品、終わり。


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