眼球綺譚/綾辻行人

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読了日2018/9/27
再生
切ってもきっと生えてくる妻の言葉を鵜呑みにし、ひたすら待ち続ける私。想像するだけで由伊のかわいくなさ!

呼子池の怪魚
魚類から進化を続ける先にあるもの。万が一進化が枝分かれしなかった場合、やはりあれは哺乳類になっていたのか。

特別料理
タイトル通り、特別な料理を楽しむ夫婦。禁忌を超えたラストの先は想像したくない。ゴキを食べたときの口中の表現にゾッとした。

バースデー・プレゼント
あれは恋人を殺す予知夢? しかしクリスマスパーティーで私がもらったものは「私」の体。そして私は恋人に頼まれて殺したのではなく殺したくて殺した。だからペティナイフが欲しかった。訳のわからない不気味さ。

鉄橋
友人を怖がらせるために話した怪談が、実際に起こってしまう。よくあるパターンでも状況を変えても起こる不条理さが恐ろしい。

人形
犬が拾ってきたのっぺらぼうの人形と、合間に挟まれる過去の記憶。実家の庭に埋まる棺のような箱。そこにいるのは過去も同じように、人形から生まれ直した私だった。何度か定期的に生まれ直しても、そのときの記憶は薄れてしまうのか。だから私は怖かったのか。

眼球奇譚
かつての友人から送られてきた小説を読む編集者。そこには昔ある街で起きた猟奇事件に関わった話が書かれていた。編集者及びかつての友人さえもストーリー内の登場人物だった。思い出すのは江戸川乱歩の人間椅子。冗談だと言って欲しいような、そうとは思えない真実味のあるラストに仰天するうちに終わった。


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