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人としての根幹を育むトイトレ

前回、トイトレで大切なことはまず「 気持ち悪い!」をちゃんと感じることだと書きました。
しかし高機能な紙オムツが主流の現代では、
この「 気持ち悪い!」をしっかり感じることが逆に難しくなっています。
そこでConoCoではどうしているのか。
方法はいたって簡単です。
布オムツを使うことにしているのです。

布オムツは時代遅れ…?

布オムツというと、
いかにも古めかしくて時代遅れな印象を持たれるかもしれません。
まだ紙オムツが発明される前にしかたなく使われていた、
前時代的な産物でしょ、と。
洗濯ものを増やしたくないとか、
床やカーペットが汚れないとか、
こまめに排泄の心配をしなくてもいいとか、
そういった「 大人 」側の利便性からみると
確かにそうでしょう。

ですが、子どもの発達という観点からみると、
この布オムツ、なかなか良い仕事をするやつなのです。

排泄の感覚を感じやすい

赤ちゃんのおしり

なによりもまず、最初からずっとお伝えしている
「 気持ち悪い!」ということをしっかりと感じさせてくれる点。

現代のさまざまな技術を駆使してつくられている紙オムツとちがい、
だだ洩れとまではいかないまでも布オムツは普通に濡れます。
オシッコしたあとに表面がサラッとしてくれることもありません。
おまけに生地は水分を含んでズッシリするので、
動きにくくなることこのうえなしです。
まさに出した瞬間から「 気持ち悪い!」です。

これを繰り返すうちに、
排泄をしたら濡れて気持ち悪くなるということが
子どもたち自身にもわかってくるので、
排泄という行為への自覚が芽生えてくるのです。

排泄のサインを伝え合える

この排泄するという感覚をしっかりと感じられていると、
そろそろ出そうだなともぞもぞしたり
言葉で伝えられる子はチッチと言ってみたり、
子ども自身が排泄のサインを出せるようになります。

また大人の方も、布オムツだと排泄するとすぐにわかるので、
その子自身の排泄のリズムが掴みやすくなりますし、
子どものサインにも気付きやすくなります。
大体このくらいの時間になるとオシッコするだろうなとか、
こういう雰囲気のときは出そうなんだなとか、
読めるようになってくるのです。

人としての根幹を育むことにもつながる

オムツ交換スキンシップ

「 気持ち悪い!」をちゃんと感じられることのメリットは、
排泄の感覚を自覚しやすくなるということだけではありません。
自分ではまだ身のまわりのことをできない小さな子どもたち。
「 気持ち悪い!」を感じたときに、
ではどうするか。

その気持ちをお世話をしてくれる大人に伝えて、
なんとかしてもらおうとするのです。

泣いたり、言葉や仕草で伝えてみたりと、
その手段は発達の度合いによってさまざまですが、
とにかく自分の要求を他者に伝えようとします。

そうしてその発信に気付いた大人によってオムツを替えてもらい、
自分の要求が満たされることによって、
子どもたちは自分の思いを伝えれば
それは応えてもらえるのだということを知ります。

なにかを感じること、感じたことを他者に伝えること、
そして伝えたことにちゃんと応えられること。

このシンプルなくりかえしが、
子どもたちにコミュニケーションの意欲や
お世話をしてくれる人との情緒的な結びつき、
人への信頼感、自己の存在の肯定感などを育んでいくのです。
それらは子どもたちの人格形成において、
その後の長い人生を支えていく
もっとも根幹となる大切な部分といえます。

大切なやりとりの機会を生む布オムツ

オムツの交換ひとつでおおげさな、と思われるかもしれません。
でも驚くべきことに
こういったごく普通の、
あたりまえに思えるような何気ないやりとりを
何度も何度もつみかさねることが、
ゆるぎない人間の根っこをつくる一番大きな要素となるのです。

布オムツは不便で時代遅れのように見えてしまいがちですが、
こういった大人と子どものやりとりの機会を
たくさん生んでくれるすぐれものなのです。

布オムツも紙オムツも上手に使おう

ここまで布オムツの利点を書いてくると、
ぜひお家でも布オムツに挑戦してみてくださいねと言いたいところです。
が、そうはいっても、お家で布オムツはやっぱり大変ですよね。
金銭的なコスト面では布オムツと紙オムツは実はそこまで変わりませんが、
洗濯や掃除などの手間ひまという点では、
やはり布オムツはめんどうなところもあります。

忙しい日や着替えに困る外出先では紙オムツを使用し、
ゆっくり過ごせるときなどは布オムツにしてみるなどの
部分的な使い方でもいいかもしれませんし、
布オムツを使っている保育園であれば
そちらに全面的におまかせしてしまうのもありだと思います。

上手に利用すれば紙オムツにもたくさん良い点がありますし、
なによりも忙しい親の心強い味方でしょう。
子育ては育てる人が心に余裕を持てることがなにより大切です。

紙オムツ、布オムツ双方のメリット、デメリットを
みんながしっかり理解した上で、
自分の生活のバランスに適した方法を
それぞれ考えられるようになればいいなと思います。

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