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【長文】『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想!やばくないかこれ!!!

みなさまこんにちは、こんばんは。

公開前から話題だった『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を2日連続で見てきたので思うがままに感想綴ります。

とりあえず、
ちょっとこの映画、やばくない?

本当は1回だけのつもりだったんですが、特典があまりにも良すぎて揃えたく、居ても立っても居られず二日連続見てきました、、、。

ここからはガッツリネタバレ有りなので、以下ご注意ください。

では、早速感想を。

元々、鬼太郎が好きなのと、公開前からビジュアル見て気になっていて、ワクワクしていたんですが、蓋を開けてみると「PG12」というちょっと不安になる表示が。

私が「ホラーだめ、グロいのは少々」というデバフ持ちなので、最初はビビって配信まで待つか?と真剣に悩んでました。

ただ、X見てると「見たほうがいい」「糸目の石田彰」という感想が多かったのと「特典の破壊力がヤバイ」というのを見て、公開して5日後やっと入村してきました。

いや~見て良かった……!!泣

父のビジュアルと声が良いのは予告で確認してたんですが、すべての表情良すぎんか…?もちろん水木も含めてですが、全体的に作画が良すぎる……!!!

そして人物だけじゃない。最初に村に踏み込んだ時の風景の描写や、どこか不気味に感じるカメラアングル。そして、どこか物悲しいBGM。ここで、水木の心理描写をセリフで表すんじゃなく、無言・音楽で表してるってのが素晴らしい。「うわあああ、ついに始まるんだあああ」と一気に映画に引き込まれる。

最初に水木と沙代ちゃんが出会った時、のけ者として冷たくあしらわれるかと思ったのに、時ちゃんも含め水木に友好的なことにびっくり。(私の予想では、この村まともなやつおらんやろ…だったので。まあ、結果的にまともなやつおらんかったのだけど…時ちゃんくらいか?)

噂の「糸目の石田彰」ですが、そんなに早く出てくると思ってなくて、笑いそうになった……(絶対Xのせい)それにしてもいいキャラしてましたね。1回目見たときはどうゆう立ち位置なのか認識しきれていなかったのですが(複雑すぎん?)、村長なんですねあの人……しかも、全く言葉にはされていないですが、乙米との関係性を匂わせるのも一族のゲス感を演出してて良きです(克典かわいそう)

ゲゲ郎が出てくるシーンはずっと心の中でにやけまくってたんですが、飄々としながらも愛に溢れていて、しっかり感情的になるところは感情が爆発して、このキャラ嫌いな人おらんやろ…って思っちゃいましたね。

それは水木に対しても一緒で、戦争で生き残ってしまったトラウマを抱えつつ、生きることに執着し、他人よりも自分の出世のために動いていた彼が、おどろおどろしい村の中でゲゲ郎やいろんな人と出会い、いつの間にか自ら誰かのために動いていく。

するっと視聴者の心に違和感なく入り、共感を得られるキャラクターで、最後の沙代ちゃんが燃えた後の切り替えの早さも個人的にはめちゃくちゃ良かった。他の作品ならもっと感情を引きずったり、何事もなかったように現れたゲゲ郎に突っかかったり、理不尽さに文句を言うところだと思うけれど、これが現実で、悲しんでも仕方なくて、とすぐに受け入れて全てを終わらせるために先に進む。良いやん……

そして、ゲゲ郎と長田のバトルシーンは本当に痺れました。そんなアクションあるなんて聞いてない!!!!(しかも物理攻撃!?最高かよ…)ずっと、心の中で「やばいやばいやばいやばいやっばい!!」と叫びながら見てました。作画えっぐい。特に手すりをぐっと掴んだ手が性癖にぶっささりました。やばい、死ぬ(鼻血)

後々聞いたところによると、東映のエースアニメーターが1人でしかも手描きとのことで、改めて「やっべえな…」ってなったシーン。あそこだけでも映画館で何回も見る価値ある。

村については、もう語りたくないくらいのゲス村で、一族だけがヤバイのかと思いきや、村人も人をさらってきて幽閉しているというマジヤバ設定。村人も携わっているのに、克典が知らないのも恐ろしい。本当に信用されてないんだな……ちょっとかわいそう(死に方も含めて)(2度目)

公開前に「容赦と救いがない」というポストを読んで、そんなむごいの?と思っていたが、「こんな村滅びればいい」(と恐らく見た人は思う気がするので)狂骨にみんな襲われるのも当然の報いだと思ってしまう(むしろ誰も生き残らない方がすっきりしたまである)

そんなホラーとグロさに関しては、私的には最初と最後が少し要注意かなと。最初の現代のシーンは結構ドキドキしたし(音と人形ドアップ良くない)、最後の沙代のシーンは苦手な人は苦手だろうけど、ちゃんとやばいところは隠してくれるので、特に私は大丈夫でした(目玉がぴょこんと飛び出るシーンは考えた人すごいなーって思いました。あれは印象的すぎる。あと、グロさで言えば、最近見た地獄楽の方がヤバイし、きめつとかの方が痛々しい印象ですね)

まあ、ホラーやグロさよりも、PG12の理由としては、倫理的な部分が大きいような気がしました。さすがに小学生にはあの話重すぎるし、まだ理解しなくてもいい……指導して見せるものでもない気がする……

ここまでパラパラと書き綴ってきましたが、全体的なストーリーに関してもテンポ感がとても良くて、だれるシーンは1秒もなく、スッキリまとまって全く無駄がないと感じました。シナリオに1年くらいかかったと言っていたので、練りに練られたんだろうなって泣きながら拍手。

ただ、監督がシナリオの時点で120分あったのを104分59秒にしたとのことで、削った約15分を知りたい……!特にゲゲ郎と水木のシーンならなおのこと見たい!!!てか、ゲゲ郎主役のアニメ1クールでいいから作ってくれえ……もっと親父をみてぇよぉ……泣

鬼太郎の誕生話については、墓場鬼太郎のアニメを当時履修済だったので、知らずに見ることはできなかったんですが、どうして親父が包帯男になったのか、どうしてあの美人の奥さんがああなったのか、なぜ水木はゲゲ郎のことを覚えていないのか、の謎をうまく回収しただけでなく、なんとちゃんちゃんこの誕生秘話まで自然に繋げるとはもうスタンディングオベーション。

確かに「あれ、ちゃんちゃんこないやん…え、組紐なの?」と最初に疑問だったので、それも上手く回収されるとは思ってもいなかった。あの組紐普通に欲しい。おしゃれやん。もう自分で編むか。

ただ、1つ幽霊族の話で思ったのが、鬼太郎って幽霊族としてめっちゃ強いんですよね。アイテムや仲間の力もありますが、強い妖力に驚異的な再生能力と身体能力、さらに銃無効、潰されたり切り刻んで食べられても、毛穴から汗として出て復活するという、敵からしたらワケわからん力があるわけですが、それに比べると親父が弱く見えてしまう……それだけ狂骨が強かったのか、狂骨を生み出したのが幽霊族の怨念だから再生も間に合わず、攻撃も効かなかったのか(確かに最初狂骨と戦った時、なんで組紐反応しないの?って思いましたが、あれは幽霊族の怨念だったから組紐も拒否した説、もしくは妖力的に負けてたから…?)

ただ、長田とのバトルでしっかり銃を避けてたり、腕切り落とされるのもやばいって顔してたけど、幽霊族の天敵だから攻撃が当たるとまずかった?腕のシーンはお札貼られてたから復活できなかった?首切り落とされるのは嫌がってなかったけど、あれは水木が止めると踏んで黙ってたのか…といろんな推測ができる。それでも、戦闘技術については鬼太郎よりも安定してる感はあった。アニメの鬼太郎は大体1回やられちゃうからな…(その強さのせいで)

それに、鬼太郎アニメって血が出ないイメージだから、狂骨に刺されて血だらけだったのも新鮮だった(聞くところによると6期は結構血が出るらしい、知らなかった)

そして、エンドロールからのタイトルばーん!……くっそ、やるやん。ちゃんと後日談もやってくれるんですね…(歓喜)

なんだかんだありながら、今も「目玉のおやじ」として鬼太郎と一緒に居られるけれど、やっぱりあの姿のまま、1度でいいから鬼太郎を抱きしめてほしかった…(なお特典……そして、みんな今すぐアニメ6期14話見て)

もう映画終わった夜から朝まで、心がいっぱいで何も考えられなくて、映画の特典見てさらに心が真っ白に。いやもうみんな幸せになってくれぇ、頼むから……泣

2回見て、特典は無事に2種類ゲットできたので、この2枚を並べて飾っておきます…ほんとにいい。あとパンフレット欲しかったのに売り切れててしんどい。初日に売り切れたって話もあって、恐ろしいですね。私はパンフレット全く買わない勢だったんですが、なぜか今回は見る前から買う決心をしていて、劇場であえなく撃沈。オンラインで買ってもいいですが、頃合い見て劇場に追加されたときに買いに行こうと思います。


ココからはざっくり好きなシーンを語っていきます。
(セリフとかは曖昧な部分もあるので温かい目でどうぞ)

・電車の人形のシーンから、地下の咳をする人が映るシーン
いやあ、なんてこったい。もう、しんどい。1回目には気づかなかったんですが、2回目にみたら全てに気づいて、うわあああああ。

・妻のこと泣きながら話すシーン良すぎんか?
この惚気ならずっと聞いていたい…むしろもっと聞かせてくれよおおおお!!!親父いいいい!!!

・「どこじゃ、どこで会うた!!」
墓場のシーンから長田とのバトルシーンの前に、妻の絵を見て感情もろにでるところ。あんだけ掴みどころなかったキャラが一気に人間味というか、温かさを感じるキャラに昇格して、うわあ~好きだ~ってなったシーン(その前まで水木を助けたのを「哀れみじゃ」とか言ってたし)

・細かいですが、ゲゲ親子と「ねずみの」の関係は昔から変わってないんだなってところが良かった。ねずみのが何かまたやらかすかと思ったけど、まさかの唯一の癒しでしたね。ねずみのがやべえって言って消えるくらいの村、ほんとうにまじやべえ。

・「すまない、待たせたな」「待っておったよ」
もうさ、2人の信頼関係がさ、細かいこと言わなくてもわかり合ってる感が好きすぎる。沙代ちゃんについてもこの惨劇についても一切触れず、水木が率先して前に出るのも認識合致の助。

・「はよう行け」
このセリフ2回出てくるんですけど、どっちも淡々としてるのに1回目と2回目じゃ全く違う感情になるのしんどい。”いつも通り” を演出してるんだろうけど、こっちはいつも通りじゃいられないんだよおおおおおって感情ぐちゃぐちゃになってました。

・「友よ…お主が生きる世界をこの目で見とうなった!!」
セリフがあってるか分からないけど、予告では「我が子が生まれる世界を」ってなってたけど、本当は「友よ」ってのが入ってて、上記を含んだ上で、妻と子を預けた友を信頼して出た言葉なんだろうなって。ほんとええバディや…

好きなシーンではないけど、性的描写がなかったことに花丸をあげたい。なんかここまでゲスだったら、そうゆうシーンあっても良さそうって感じがするけど(まあ、ちょっとはあったが)、絶対に見たくなかったから安心した。そこあったらさすがにPG12でもきついかもしれんな。

・音楽めっちゃよかったなあ…
上記にも書いた、村に入るシーンの曲が1番好きだけど、バトルシーンの曲も印象的だし、最後の方の悲しい曲たちもシーンに合ってて没入しやすかった。サントラほすぃ。調べたら『ひぐらしのなく頃に』のアニメの人やん!そりゃ雰囲気ぴったりの曲作れるよなあ…


〈まとめ〉
ここ数年で見た映画の中でも、トップクラスに良い作品でした。
何度でも言いますが、ここまでだれずに一気見できて、エンドロールから会場明るくなるまで飽きない映画は記憶にないくらい。アニメ版の鬼太郎もいいけれど、それに引きずられず、ダークでゲス側に振り切ってくれたのが良かった。誰が見ても嫌悪感を抱く一族に、誰が見ても心惹かれる主人公2人。ここがハッキリしてるからこそ、中途半端に誰かが生き残るとかだったら逆にモヤモヤしたと思う。

声優さんたちも実力のある方ばかりで、今流行りの俳優・女優さんを入れないところも個人的に良いなっていうのと、制作陣の本気を感じました(関さんと木内さんキャスティングした人に無限の拍手を送りたい)

私は原作を読んでなく、鬼太郎のアニメ(4期~)で育った世代なので、あまり鬼太郎の暗い部分というのを知らないこともありますが、この解釈とキャラデザ含め、制作陣にありがとうと言いたい。鬼太郎が好きでよかったなって思うのと、この作品を見られてよかったと心から思いました。


最後に、特典2種類をフレームに入れたら破壊力激やばで扉の向こうに精神持ってかれたんで、持ってる人はぜひやってくれ……!!
(この後、特典写真ありなので見たくない人は注意)

圧倒的、尊死ッッッ!!!!!

※表面が反射していたので周辺モザイクしてます

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