褒められるトラウマ
私の家族は、いつも私を褒めていた。
正確に言うと、母親と祖母。
「あんたは誰よりも可愛いねぇ〜!」
「他の子と違うわ〜」
学業でも習い事でも、何をしても褒められた。
それは必ず『よその子』と比較して行われるものだった。
おかげで、私は自分に自信をもって学校生活を謳歌した。
そして30になる今。
友人と呼べるであろう人たちが何人も存在するというのに、
私は彼らをフラットな目で見ることができない。
あんなことができて、羨ましい。
あんなに褒められて、妬ましい。
そして同時に。
弱くてミスをする自分のことも、受け入れることができない。
これくらいはできないと、他の人と同じになってしまう。
ここまでやっておかないと、他の人を出し抜けない。
こんな思考ばかり。よりにもよって、仕事をしている時に頻発する。
どうしてくれるんだ。
早く、他人に自分をそのまま表せるようになりたい。
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