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✓それでも旅に出るカフェ/近藤史恵

▽あらすじ
独身一人暮らしの瑛子にとって、
元同僚の円が切り盛りする「カフェ・ルーズ」は
すっかりなくてはならない存在だった。
コロナ禍によって営業方法を変えるといった困難を
強いられていたのはカフェ・ルーズだけではなく、
瑛子の周りもそうだった。
同僚や店に訪れる客は皆、何かを抱えていて・・・
ロシアの「リャージェシカ」や
中国の「湯圓」、インドの「クルフィ」など、
読めば食べたくなるスイーツが
甘くない事情を解決していく。


▽印象に残った文章

「不思議ですよね。マイノリティとか、障害を持つ人には、
完全にきれいな人としか関わっちゃいけないように思われているの。
マジョリティ同士なら、可愛いなと思って声をかけたり、
お金持ちにアプローチするのはすごく普通で、
責められるようなことではないのに、
なぜかそれがマイノリティになると、
軽い気持ちで関わってはいけないように思われるの」

健常者がそうではない人より、
多くのことを知っているなんて、
単なる思い込みだ。

▽感想
『ときどき旅に出るカフェ』
シリーズ第二弾!

コロナで翻弄されるカフェ・ルーズ。
その中でネット販売や、キッチンカーで
なんとか頑張っている姿をお客さんに見せて、
円はたくましいなと思った。

いろいろなお客さんがいるけど、
そのお客さんにどんな人がいても
きちんと向き合い、素直に正直に意見を言う
円がかっこよかった。

誰だって息抜きをしたい。
その息抜きが家ではなく、
外だったり店だったりする人だっている。
コロナになって外での食事などが制限される中で、
外での息抜きが求められなくなってしまった。
みんなが安らぎを求める中で
円が世界中を旅して食べてきた食事が
ほんのひと時でもお客さんを癒している。
少しだけどお客さんに居場所を
あたえているんだなと思った。

コロナ禍を舞台にした人々の様子が、
丁寧に書かれているなと思った。


✓それでも旅に出るカフェ/近藤史恵/双葉社

↳サンプルもありますので、ぜひ

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