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Half My Life 〜 僕の半生(3)

1994年1月、テレビを見ている時に突然、何の前触れもなく息が苦しくなって取りあえず外に出た。
粉雪が舞っていた夜の事だった。
僕は何故か交番に行き、警官に苦しいという事を訴えた。
この時、足に障害のある変な男が僕と警官に絡んできた。
札幌には僕の母親の姉が結婚して住んでいた。
警官に親戚の電話番号を聞かれたので教えると、しばらくしてその旦那さんが車で来た。
車に乗せられてその親戚の家まで行き、一晩泊めて貰った。
その車に乗っている時、その変な男が車で追っかけて来て、旦那さんは猛スピードで運転して急ハンドルを切って曲がったりして逃げようとしたが、逃げ切れず車を止めたらその男も止めて、絡んできたので旦那さんと口論になったのは今でも覚えている。

親戚の家はごく普通の一軒家だった。
しかし、当時一部の人しか持っていなかったレーザーディスクのプレーヤーがあり、夫婦ともに美空ひばりの大ファンで旦那さんはリビングでソファに座り、ジョッキでビールを飲みながら美空ひばりのライブを見ていた。
その時、旦那さんから言われた事はあまり覚えていないが、「嫌な事があったら酒でも飲んで寝なさい」と言われたのは覚えている。
旦那さんはその時僕にもジョッキのビールを飲ませてくれた。
伯母さんは薬剤師だったので睡眠薬を貰って飲んで寝た。

それから約5年間は症状は和らいでいったものの、その急に来る発作のようなものに苦しめられた。
それがパニック障害という病名だと分かったのはすでに完治していた頃、精神科の医者に言われた時だった。
当時はパニック障害と言ってもほとんど誰も知らないほど世間に認知されていなかった。

僕はその後実家に戻り、約1年間引き籠り、手探りでキーボードの練習や音楽の勉強をしていた。

弟は地元の会社に就職し、立派な車を買って、彼女もいた。
姉はすでに高校卒業と同時に東京へ行き、就職していた。


2020.7.26加筆修正


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