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ぼくのバラ色の人生 : Ma vie en rose : My life in pink / フランス・ベルギー・イギリス 1997
監督: アラン・ベルリネール
directed by Alain Berliner
7歳の男の子リュドヴィックの将来の夢は女の子になること。神様が染色体の配合をうっかり間違えて今は男の子だけど、女の子になるのは当たり前の未来だと信じている。
私は、リュドヴィックがその夢の複雑さに気づく近い未来を想い、物語の冒頭からずっと泣きながら観ていた。
ただ、劇中最後までリュドヴィックはそれには気づかない
コックと泥棒、その妻と愛人 : The cook, the thief, his wife, and her lover / イギリス・フランス 1989
監督:ピーター・グリーナウェイ
directed by Peter Greenaway
大人のためのパンクなお伽話。
シンプルなストーリー、シアトリカルな構図、部屋やシーンごとに変わる意味ある色彩、装飾、ジャン=ポール・ゴルチエによる衣装、音楽、どれもに夢中になる。
そしてかのラストシーン、マイケル・ナイマンの「Memorial」の高揚感たるや。
イヤフォン付けてこの曲を聴きながら通勤すると、た もっとみる
トラスト・ミー : Trust / アメリカ 1990
監督:ハル・ハートリー
directed by Hal Hartley
1991年サンダンス映画祭脚本賞受賞
“Respect, admiration and trust equals love.”という台詞にとても共感する。
難しい考察はできないが、シンプルにそうだそうだと思う。
茶色眼鏡+水色ストライプのシャツワンピース+白タイツ+ぶかぶかのスタジャン姿の“着たきり雀”マリア(エイドリア
叫びとささやき : cries and whispers / スウェーデン 1973
監督: イングマール・ベルイマン
directed by Ingmar Bergman
物語の中も、それを観ているこちらも、ずっと張り詰めている。迫っているのは“死”なのだからそれは当然。
観終わったあと、現実に戻るために深呼吸する。
緊迫感=ベルイマン。
ベルイマン監督の中で1番好きな作品。
パリ、テキサス : Paris, Texas / 西ドイツ・フランス 1984
監督:ヴィム・ヴェンダース
directed by Wim Wenders
1984年第37回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞
何度観ても鑑賞後はいつも感慨深くなる。
トラヴィスは自分勝手だと思うのに、マジックミラー越しのトラヴィスの語りとそれを聞くジェーンの姿に目頭が熱くなる。
これからも何度も観る。
illustrated by mrgcry
こわれゆく女 : A woman under the influence / アメリカ 1974
監督:ジョン・カサヴェテス
directed by John Cassavetes
ジーナ・ローランズが大好きだ。
ジーナ・ローランズ演じるメイベルが日常の風景にただ立っているだけで、その精神状態が見る側に伝染してくる。
溢れる感情の受け皿が不安定なら溢れる感情そのものも不安定になる。けれど受け皿の不安定さではなく感情の不安定さに修繕を強いる。本当にこわれているのはどちらなのだろうか?
愛に関する短いフィルム : A short story about love / ポーランド 1988
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
directed by Krzysztof Kieślowski
『デカローグ』の第6話「ある愛に関する物語」を長編として再構成した作品。
「ある愛に関する物語」とは結末が異なる。それが長編版の方が好きな理由だ。
覗く側と覗かれる側が反転するように、理想的な愛と現実的な愛も反転する。
ただ”傷つき疲れうなだれている誰かの肩に誰かが優しくそっと手を置く”だけ もっとみる
デカローグ: Dekalog / ポーランド 1989-1990
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
directed by Krzysztof Kieślowski
1989年ヴェネチア映画祭国際映画批評家連盟賞
旧約聖書の十戒をモチーフとした10の物語。
気づけば、はじめて観た15歳から私は「デカローグ」と共に人生を過ごしている。
自分ではない誰かの人生の内側にある秘密や嘘や欲望や孤独は見えない、描かれたもので自分ではない誰かの人生の内側に想いを馳せる もっとみる