【#24】イキフンだけのナンチャッテごはん屋さんでシャレオツなドライカレーを55分待たされた話。

ていねいな暮らしの提案にまつわる様々なモノを売る素敵な空間があり、そこにはカフェが併設されている。早い話が頼んだものが来なかった話なんだけど気持ちのやり場が無いから書きたいし、どう振る舞うべきだったか教えていただきたい。

カフェの開店は11:30、ついたのは11:45。

開店前に入り口で待つほどの必死感を出したくないし、かといって1回転目に入りたいから絶妙な時間に到着したと思っている。店に着くと空席が3つほど。狙い通り1回転目というわけだ。この店には季節に合わせたメニューが3つほどあるが、僕は定番のドライカレーをオーダー。ほどなくして席は全部埋まった。

シャレオツな”無音”の調理場

座席はすべて日本が誇るブランドのローソファーで統一されている、といってしまえば店がバレそうだが、低い位置にゆったりと腰を下ろすスタイルは悪くないものだ。その低い目線からは見えないが、カウンターの真裏にはキッチンがある。だがしかし。ジュー!とかトントトン!とかいう音が一切聞こえてこないのだ。絶対に料理をしていない。間違いない。それに広いキッチンとはいえコックさんらしき人は1名。一応調理場の前には居るものの。各テーブルに目をやると、セットのドリンクだけが出された状態の客・客・客。飲食店で吠えるのが嫌いな僕はムズムズしながら待つのであった。

30分経過。サラダがスタンバイ。

作られた料理が一瞬置かれ、それをホール担当が持っていく、そのためのカウンターには木製のボウルが10コほど並ぶ。サラダだ。サラダが並べられた。でも、運ばれない。干からびていくサラダ。いたずらに空気にさらされていく。そこから15分、つまりオーダーから45分後にサラダが到着。ドレッシングもかけられた状態で放置されてたことが判明。
ここで大人の余裕も包容力もない僕の小ささったら無いのだが、ドライカレーが来るまでは手を付けないと決めた。だって満足そうに野菜食べてるやん、満足してるやん、みたいな顔するのが嫌だったからだ。ああ小さい。

55分後、ドライカレー到着。

そしてそいつはやってきた。シャレオツな雑穀米がシャレオツでお上品な少量、ちょこんと皿の中央に乗っていて、その上にはドライカレーとフライドエッグ。何が言いたいかといえば、フライドエッグ以外は全部仕込んであるものだってことだ。さらに。一緒に行った人が頼んだヘルシーな「サラダがメインのランチ」的なやつなんて、サラダとジャガイモのスープとパンだけだぜ?すぐ出せるものばっかじゃないか!

ナンチャッテごはん屋さんが許せない。

シャレオツなのもいい。雰囲気でヨロシクするのもいい。けどお金を頂戴して口に入れるものを作る人間は料理と料理にまつわる体験にストイックであるべきだ。待たせた分だけハードルが上がるのだぞ。だからだからファストフードはアレで成立しているのだ。
カフェの外には辰巳芳子先生や高山なおみさんの本が並び、僕の嫌いな時短料理やチンするだけで◯◯みたいな本はない。いいじゃないか。カフェ・本・雑貨・衣料とまるっと全体的に本質的な暮らし提案、いいじゃないか。でも詫びの一言もなかったし、それをここで書いてる僕の小ささもクソで自分が嫌いになる。やり場がないから書いている。が、こうして地球は回っている。あーこういう場合はニコヤカに許すしかないのか。「いいじゃないか、店の外には戦闘機も飛んでいない。今日も平和だ。ああ今日も生かされている」とそっと目を閉じるのが正解なのだろうか。
ナンチャッテで作って、ナンチャッテで提供して、ナンチャッテじゃない金額は取るという。ていねいな暮らしの提案するなら全部土鍋で炊きな。それなら覚悟して行こうじゃないか。
ああなんて小さい人間なんだ。

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