堀辰雄『聖家族』

「死があたかも一つの季節を開いたかのようだった。」
昨今の感染ウイルスの流行による被害の模様からこの言葉がつい脳裏をかすめた。
この作品は、堀辰雄が芥川龍之介の死を受けて書いた作品で、自身と芥川を作中人物のモデルとして生と死の狭間の葛藤を淡々と描いている。
堀ならではの文章の美しさや心理描写の妙は、私が今更褒め称える話ではない。
極端な感情の間に灯り、その両端から互いに引っ張られるような仄かな火がそこにあるように思えます。



聖家族 (SDP Bunko) https://www.amazon.co.jp/dp/4903620379/ref=cm_sw_r_other_apa_i_JavPEbV26PGAE

聖家族(Amazon Kindle) https://www.amazon.co.jp/dp/B009AKHSWO/ref=cm_sw_r_other_apa_i_obvPEbD88JRKT


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?