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医療ソーシャルワークは「コネクション」が欠かせないという事実【Xいいね100考察#09】

みなさんこんにちはKeiです。
救命救急センターが設置されている病院で医療ソーシャルワーカー(以下MSW)として働いている社会福祉士7年目で、毎月5,000PV以上のソーシャルワーク関連のブログX (フォロワー1,300人以上)等を発信しています。
社会福祉士取得後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。
この記事は私がXで発信したポストで「いいね100以上のポストを深掘り」します。

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今回は以下のポストを深掘りしていきます。

社会福祉士が国から期待されているのはコネクションの構築

国が社会福祉士に期待することを社会保障審議会で発信してからおおよそ5年になります。
社会福祉士に求められることで個人的に興味・関心が湧いたのは、以下についての言及です。

社会福祉士が、個人及びその世帯が抱える課題への支援を中心として、分野横断的・業種横断的な関係者との関係形成や協働体制を構築し、それぞれの強みを発見して活用していくため、コーディネーションや連携、ファシリテーション、プレゼンテーション、ネゴシエーション(交渉)、社会資源開発・社会開発などを行うとともに、地域の中で中核的な役割を担える能力を習得できる内容とすべきである。

平成30年3月27日社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会
  • コーディネーション

  • ファシリテーション

  • プレゼンテーション

  • ネゴシエーション(交渉)

上記の知識や技術においては私のブログ「ソーシャルワーク部」で解説していますので省略しますが、これらに加えてもう一つ欠かせないものがあります。
今回の記事のタイトルにある「コネクション」です。

コネクションが支援の分かれ目になる

  • 生活保護

  • マンパワーを要するクライエントの支援

  • 問題解決に至るまでの時間

コネクションを活用する支援を挙げるとキリがないので、MSWであれば誰でも体感したことがありそうな例を挙げました。
どの例も個人で解決することができない支援であり、連携するのはいつだって行政機関であり、民間機関であり、人間です。

コネクションと聞いてネガティブなイメージを持つ方もいるかも知れませんが、クライエントに還元できるコネクションであれば積極的に活用するべきだと個人的には考えています。

ポジティブに考えればコネクションは「ソーシャルワークを形にするための武器」です。
クライエントの自己実現には様々な形がありますが、その形が容易に達成できるものとは限りません。

若手MSWの実力不足は知識や技術だけではない

若手MSWとベテランMSWの差は、コネクションが大きく関係することを具体的に解説します。
「コネクション=アプローチの引き出し」と考えていただければわかりやすいと思います。

  • ミクロ:独居のおじいちゃんのために見守りサービスを使いたい

  • メ ゾ:終末期の患者さんに対する社会資源のコーディネート

  • マクロ:社会福祉士の処遇改善に向けたアプローチ

若手MSW、ベテランMSW双方で解決ができない内容ではありませんが、ベテランSWは経験年数や置かれている地域に精通している人物を把握しているため、問題解決に向けたルートや時間を確保できます。

ベテランMSWの付随する若手MSWに変え難いアドバンテージは、若手SWよりも多くの「選択肢」があることです。
併せてベテランMSWは、若手MSWよりも手札が多いため「この人がダメならこうしよう」といった算段が立てやすいです。

認定資格はコネクションの構築に最適

Keiが働いている環境ではコネクションが有効に働く場面が少なくありません。
私が働いている病院は「24時間救急医療を提供する」といった地域の役割があるため、病院のベッドを満床にしないための手段をあらゆる選択肢から模索します。
私からのアプローチが簡単にあしらわれても、同じアプローチを実施した部署長や医師の権威性で事態が収束に向かうことがしばしばありました。

私が先輩と同じアプローチをしても「信用」「忖度」「年齢」といったコネクションに阻まれて上手くいかなかったケースが多くあります。
先輩との経験年数を縮めることは不可能なので、少しでも権威性を担保するために認定医療ソーシャルワーカーを取得しました。

私が認定資格に関心を持つようになったのは、私の実力不足でクライエントの自己実現を阻害したくなかったことが主たる動機になります。
認定資格を取得してからは、名刺交換のたびに「若いのに認定資格をお持ちなんですね」と初対面から好印象を与えることができるため、コネクションを構築する効果は絶大であると断言できます。

コネクションの構築で一つだけ注意すること

闇雲にコネクションを構築することが正義ではありません。
有効に活用できないコネクションは、ネットワーキングにおいて時間をかける部分ではないため、「ソーシャルワークを認知している人物か否か」に注意してコネクションを構築しましょう。

ここでいう「認知」は顕在化されていることが絶対条件ではありません。
指標とするのは「クライエントファーストの支援を行っている人物か」です。
「クライエントファーストの支援」が行えていれば、支援の上流にソーシャルワークのノウハウが潜在化しているため問題ありません。
コネクションの構築を通じて「ソーシャルワーク」という概念を理解してもらえる人物であるかも併せて重要になります。
ソーシャルワークの概念を説明する際にも認定資格は有効に働きます。
「全国に2万人以上いる医療ソーシャルワーカー」がプレゼンテーションするよりも「2万人のうちの1.5%しかいない認定医療ソーシャルワーカー」がプレゼンテーションする方が付加価値により権威性や説得力が増すのは必然です。
≫ MSWが行うプレゼンテーションの重要性


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