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カツセマサヒコ

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記事一覧

人の職業を笑うな。

人の職業を笑うな。

この記事は2014年2月(もう6年前!)に僕のamebaブログに書いたものです。当時はまだ一企業のサラリーマンで、ヨレヨレのスーツを着て満員電車に揺られていました。「記事を書いてお金をもらう」なんて到底不可能だと思いながら、平日帰宅後や土日に書いていた記事のうちのひとつです。この記事をきっかけに編集プロダクションに声をかけられ、ライターの道に進むことになりました。該当のamebaブログは最近閉鎖し

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「明け方の若者たち」感想【ネタバレあり】

「明け方の若者たち」感想【ネタバレあり】

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」
その16文字から始まった、沼のような5年間。

ここだけ見ても普通の恋愛小説かって感じするよね。
まぁ読んでみて。
って言っても誰も読まないと思うけど。

でもね、まじで良かったよ、この本。
普段は本読まないしTwitterとLINEでしか
文章書かない・読まないくらいの人間だけど、
なんだかスラスラ読めたよね。

最後にまともに本を読んだのが
中学2年の時の

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拘束する言葉、高く飛ばす言葉

拘束する言葉、高く飛ばす言葉

書け、と言われている原稿がいくつもあるし、出せ、と言われている企画がその倍近くある。でも、筆は進まず、脳は動かず、雑念ばかりがせっせと働いており、よくないことだけど、「よくあることだから」と諦めて、雑念と付き合っているのが今である。

雑念は雑念止まりで、そこから進展することなく萎んでいくのが平常運転だけれど、今日は珍しく雑念の方がむくむくと展開と推敲を繰り返して、これは金もらって出せる記事じゃあ

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お前が“付加価値だ”と思ってるものなんて。

お前が“付加価値だ”と思ってるものなんて。

「で、一年目終えて、どうだった?」
「いやー、なんつーか、あっという間でした」
「そうだよなあ。入社前のイメージと、違った?」
「そうっすね。いやー、なんか、思ったより、地味じゃないスか?」
「あははは、まあ1~2年目だもんねえ」
「いや、でも、シューカツのときは、『即戦力を求めてます!』とか、『若いうちから活躍できる職場です!』って、言われてたんすよ」
「まあ、そう言うだろうね?」
「それがフタ

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常夜灯

常夜灯

こんなにも、うまくいかないものか。
準備の時間がまったく足りない中で実施されたプレゼンは、箸にも棒にもかからず、終わりを迎えた。

そんなこともできないのか! 今まで何していた! 

会議室に響く上司の声。その目はもう私に、何の期待もしていなかった。

露骨に落ち込みながらデスクに戻るものの、何も手につく気がしない。PC画面を睨んでみるが、役目を果たしたパワーポイントが、「質疑応答」の画面をやる気

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2005年、あのバンドが僕をモッシュピットエリアまでぶん投げた #人生を変えた一曲

2005年、あのバンドが僕をモッシュピットエリアまでぶん投げた #人生を変えた一曲

大学入学を機に、軽音楽サークルに入った。18歳のことだ。モテたかった。中高6年間男子校で、バスケしかやっていなかった。童貞だった。とにかくモテるためには、ギターを背負うしかないと思った。マイクを握り、伝説の曲を作って歌うしかないと思った。

ベニヤ板みたいなテーブルの上で、入部届けを書いた。「バンド経験、なし。パート、ヴォーカルかギター希望」。その日中に開かれた新歓コンパは、二次会まであった。精子

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