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ラブタームーラの魔法昆虫

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2021年6月の記事一覧

9.ソーダ池の観察



 学校で、自由課題の宿題が出た。自然や町のことを調べて、レポートを書かなくてはならない。
「何を調べたらいいんだか、ちっとも思いつかねえよ」浩がさっそく愚痴をこぼした。
「例のデパートのことは? ほら、あの昆虫工場」そう言ったのは美奈子だ。
「いや、それはだめですよ。口外しないと約束をしたじゃありませんか」元之が反論する。
「博士に頼んで、発明品とか見せてもらう?」和久が提案した。
「だめよ、

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8.あふれた夢



 美奈子達は、捕まえたダイオウカブトを博物館へ持っていった。
「おおっ、これぞまさしくバルバウム・クライオンテクスだ!」館長は、虫かごの中をしげしげと覗き込む。「ついさっきまで、こいつのことを調べていたところなんだ。『途方もなく大きな甲虫』という意味でな、とにかく凶暴な奴なのだ。よく見つけてきてくれたな」
「ある工場に突然、出現したそうですよ。機械が何台か踏みつぶされていましたっけ」元之は、デ

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7.デパートの秘密

 今日も、タンポポ団はラブタームーラの町中を歩き回り、魔法昆虫の手がかりを探していた。
「被害が出る前に、なんとしても捕まえなくてはなりませんね」元之が言った。
「もう、どっかで何か起こってるかもしれねえぞ。おれ達が知らないだけで」浩はそう答える。
「いやだ、そんな恐ろしいこと言わないでよ」美奈子は虫取り網をギュッと握りしめた。魔法昆虫には、たいそう危険な魔法が備わっているのだ。
「館長からまだ連

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6.町外れの魔女

 久しぶりに倉又館長に呼ばれ、美奈子、浩、元之、和久、そして緑の5人は、博物館を訪れた。
 一同は応接間に通され、ケーキと紅茶を出される。
「館長、魔法昆虫のことで何かわかったんですか?」開口一番、美奈子が尋ねた。
「いやあ、そのことだがね」館長は紅茶をすすった。「相変わらず、マユに書かれた文字のことはわかっておらん」
「じゃあ、なぜわたし達を呼んだんです?」元之は首を傾げる。
「うむ、実はな、有

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