見出し画像

ChatGPTとのガチチャット〜AI界隈の知識とインドの聖典が教える知識の定義のズレについて

AIが人間の知性を超す時代がやってくると言われて暫く経ちます。知性の定義によってはもう越しているのでは?と思えるAIもあります。昨年2022年11月に一般公開されたChatGPT
ChatGPT: Optimizing Language Models for Dialogue (openai.com)
ちょっとした質問ならそこら辺の人よりも詳しく的確に、Googleよりも人間っぽく、且つ商売っ気なしで答えてくれます。

そんなChatGPTにいろいろガチで質問してみました。返答が面白いので共有しつつ、ヴェーダーンタの教える知識についても書いてみます。

沢山の脳科学者が意識は脳の中にあると信じて脳の研究をしているんですよね。ChatGPTも同じような回答をしてきます。そして、確信できないことに関しては、「解明されていないこともあります」と逃げ道を作るしたたかさ。

知ってるじゃん!ハリーナーヤナは何か分かりませんが(ラーマーヤナの間違い?)バガヴァッド・ギーターやアートマーを知っている様です。

突っ込みをすると間違いを認めて謝ったり、回答を訂正して再度生成するところなど、素直なところに好意を持ってしまいます。AIに好意を持っても意味がないのですが。。。

次のガチ質問:

ChatGPTによると宇宙は定義上の場所を持っていないそうです。広がりを持つ無限の空間。場所を持たない空間だそうです。場所を持たない空間ってどういうこと?そこに存在する私達は場所を持たない空間に存在しているって、普通に考えてわけが分からなくない?そんな説明で良いの?世界の注目を集めるChatGPTさん!

ヴェーダはここら辺の科学者がたどり着けていない「存在とは何か」、についてもきちんとスッキリと説明してくれているので、勉強してもらいたいですね。ChatGPT!

次のガチ質問:

インフォメーションとしての知識は、ホント、お見事。そして的を得た答えを分かりやすく説明してくれる能力も素晴らしい。

では、AIは人の知能を超えられるのでしょうか?

知能を知識を得る能力としたとき、その知識が情報だとしたらAIは既に人を超えているでしょう。でも、人にはその情報を自分のものにする能力があるので、それを知識としたとき、それはAIは人を超える事は出来ないし、そもそも人間ではないので、自分のものにする必要もないのでしょう。

知識を自分のものにする、とはどういう事かというと、例えば、↑のTattvabodhaで教えられている4つの資質の一つであるVivekaを例に取ってみましょう。

ChatGPT はVivekaが何かという定義を知っています(知る、という言葉もAIに適切ではない気がするので、答えられます、の方が良いかも)。しかし、Vivekaが何かを知っているか、はあまり意味がなく、きちんとVivekの能力を自分のものにして始めてvivekaの意味を知る重要性が出てくるのです。

ヴェーダーンタの教えは全てそこで教えられている事を自分のことにしていかないと意味がない教えです。

よくTattvabodhaや Bhagavad Gita を勉強して、○○の節を覚えました~、毎日それを暗誦しています~と言ってくる人がいるのですが、それはそれで素晴らしいことですが、教えはそこではなく、きちんとその教えが自分のものになっているか、が重要なのです。

これはモークシャを得るためのBrahmaについての知識にも同じことが言えます。

Brahmaの存在や定義を知ることも知識を得るステップとしては重要なのですが、aham Brahma asmi 私(本質としての私)はそのBrahmaなんです、という知識にならないと意味がないのです。Brahma asti Brahmaという存在がある、という知識から Brahma asmi 本質としての私はこの世界のすべての存在の源であるBrahmaなんです、という知識にならないと。 

Brahmaの定義はChatGPT も答えられるでしょう。でも、aham Brahma asmiという私はbrahmaという知識は起こらないのです。そもそも私を認識するahamkaraもないし。。。

ヴェーダーンタの教えの中では、情報としての知識をjñanam ज्ञानं と呼び、自分となった知識のことをvijñanam विज्ञानं と区別して呼びます。シャンカラーチャーリヤは解説書でvijñanam विज्ञानंはशास्त्रतः ज्ञातानां तथैव स्वानुभव-कारणं と説明し、聖典で教えられていることをあるがまま理解して自分として捉える事、と記しています。

ちょうどBhagavad Gita の6章のクラスで見ているところです。

ヴェーダーンタのみでなくヴェーダで教えられている知識は決してAIで置き換えられることのない知識なのです。

人工知能の研究者、または宇宙の存在や脳の中に意識があると思っている脳科学の研究者の方たちに、答えはヴェーダーンタにありますよ、という事を是非知ってもらいたくて、多分的確なオーディエンスは誰もいないであろう【ChatGPT x インドの聖典】について2000文字も書いちゃいました。

読んでくださりありがとうございます!

शुभा भूयात् 

月に一回東京でヴェーダーンタのクラスを開催しております。
次回は3月18日(土)新大久保で、です。
https://www.facebook.com/Vedanta.sanskrit108

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?