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リーダーシップのパラダイムシフト

いいリーダーは、弱さをさらけ出す。

時代が新しくなると、パラダイムシフトが起こる。
リーダーシップにもパラダイムシフトは起こっていて、
リーダーは一人がいい、複数いると「船頭多くして船山に登る」から。
から、リーダーは複数いたほうがいい、に変わっている。
組織を引っ張っていくリーダーから、組織を支えていくリーダーに。
模範的であることより、自分らしさを大事にする。

強くて賢くて、優秀なリーダーより、
弱さをさらけ出せるリーダーが、注目されている。

自分らしさで組織やメンバーを導いていく
「オーセンティック・リーダーシップ」
ハーバード・ビジネス・スクールのビル・ジョージ教授が提唱した、
新しいタイプのリーダーシップ。

大隈塾のゲスト講師は、中竹竜二さんだった。
中竹さんといえば、どことなく頼りなげなイメージがある。
2006年に早稲田大学のラグビー部の監督となった。
前の監督が清宮克幸さんだったので、
カリスマ性の強い清宮さんから、ナカタケ? だれ?
というのが当時の印象。
だけど、最初の年こそ優勝を逃したけど、
2年目3年目は大学選手権を連覇した。

そもそも、大学3年生まで公式戦に出たことがなく、
それでも4年生のときに思いもよらず主将になり、
そののち思いもよらず監督にもなった。

監督になったら、選手たちから「下手くそ」といわれたという。
「やってらんねー」といわれたという。
舌打ちされ続けたという。

「すまん、それはオレじゃできない」
選手に求められても、できないことは断った。

舌打ちには、理由を求めた。
もちろん、舌打ちの理由は自分でもわかっていたが、
じゃあどうすればいいか、
選手たちに考えさせた。
考えさせたら、実行させた。

カリスマを失って迷い、漂い始めていたチームが、
自走できるチームに変わっていった。

中竹さんは、自分の弱さをさらけ出し、
背伸びをしない、自分らしくあり続けたことによって、
「選手たちから信頼を得た」
という。

2019年ラグビーワールドカップのオープニングゲーム、日本対ロシア。
キックオフ早々、ロシアにトライを許し、これ以上ない最悪のムードで試合は進み、
やっとのことでチームを立て直して勝点を得た日本代表チーム。
でもたぶん、「いい試合」はするけど、勝てないチームなんだろうなあ、
というのが、大方の予想だったが、
ところが、次のアイルランドに激勝。スコットランドにも爆勝。
世界のラグビー界からの日本代表への評価も爆激上昇した。

中竹さんは、なんで強くなったんだろうと思い、
ロシア戦のあとの、キャプテンとバイスキャプテンのインタビューに注目した。

キャプテンのリーチマイケルは
「むちゃくちゃ緊張した。眠れない、食べられない、不安がなくならなかった」
と。バイスキャプテンも同じだった。
どの選手たちも、同じだった。

これが、「弱さをさらけ出すリーダー」だと発見した。

自分らしくあることが、リーダーシップにつながる。
自分らしくあることは、幸せにもつながる。