見出し画像

リアルな本とkindle本と強欲資本主義

アート思考の特徴

『13歳からのアート思考』の末永幸歩さんのトークを聞いた。

アート思考の特徴は、
①自分なりのものの見方
②自分だけの答え
③新たな答えを生み出す
ということで、
さらに、
①→視点や見方を変えてみる。
なぜならファーストインプレッション(第一印象)は社会的なモノの見方かもしれない。
つまり、自分なりの見方のようでいて実は借り物の見方かもしれない。

それによって、②の自分だけの答えも変化するかもしれない。
変化した自分の考え方も許容する。

そして、変化した答えからさらに③の問いを言葉にしていく。
そこには「ストーリー」が生まれてくるかもしれない。

視点をずらして考える

なるほど〜〜、と。
こりゃやっぱり『13歳からのアート思考』は買っておこう、
と思って、地元の本屋さん桑畑書店に注文した。

そこで。

「やっぱり買っておこう」……?
と思った自分を振り返ってみる。
自問自答してみる。
「やっぱり、って思ったということは、過去にも『買おう』と思ったことがあるはず」
……視点をずらしたことになるかな?

買おうと思ったことがあるかもしれない。
そこで、kindleの自分の書棚(購入したものを一覧できる)をざーっと見てみると、
あった。
もうすでに、kindleで買ってあったし、
なんなら半分ぐらいはすでに読んでいた。
もうすでに本屋さんには注文済み。
23日にはお店に届く、というお知らせももらっている。

ああ、ダブルブッキング。
でもいいや。kindleでもリアル本でも両方持っておいて。

贈与の経済と強欲資本主義

ということを、毎日参加している「黙読会」でしゃべった。
そしたらホンマ先生が、
「kindleで持つよりリアルで持つほうが、
所有欲が満たされるのかなあ」
とおっしゃった。

それもなるほどだ。
kindleのデジタルデータにはない、質量感がリアル本にはある。
書棚に飾っておくこともできるし、
すりすりホホずりすることもできる(しないけど)。

でもだ。
リアル本は2冊3冊買わせることもある。
今回がその例で、すでにkindleで持ってるのに買わせてしまうし、
すでに持っている本を何冊も誤爆する例は枚挙にいとまがない。

一方kindleは、システム上2冊目を買えないようになっている。
2冊目を買おうとすると、「もう持ってますよ、また買うんですか?」とアラートが出されたり、
アラートもなし反応もなし、ただ黙って無視されることがある。

とすれば、次々と同じ本を買わせるリアル本はごりごりの資本主義であり、
誤って2冊目購入を阻止してくれるkindleは人に優しい民主主義ではないか。

いやまてよ。
リアル本は誰かに贈与することができるが、
kindle本は誰かに贈与することはできない。

これは、リアル本はシェアエコノミーあるいは贈与の経済であるが、
kindle本は専有して当たり前の強欲資本主義ではないのか。

と、次から次に問いが生まれる。
これが『13歳からのアート思考』から引き寄せられた、
アート思考ということなのか。


VTC/VTS日本上陸30周年記念フォーラム2022
https://www.hyakube.com/magazine/vtc-vts30th_anniversary/

『13歳からのアート思考』末永幸歩 ダイヤモンド社 2020年