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【連載詩集】No.7 お元気ですか?

 ひさしぶり。

 お元気ですか?


 普段は、

 お便りなど、

 あまり書くこともないのですが、

 ふと思い立って、

 今日は、

 あなたに、

 手紙を、

 書いてみようと思いました。


 なんだか、

 毎日は、

 あっという間に、

 過ぎてしまうようで、

 あなたと、

 お酒を飲み交わした日も、

 遠い昔のように感じます。


 でも、

 思い出してみると、

 その時間はとても、

 実体的なものがあって、

 手を伸ばせば、

 グラスに触れられるようで、

 その結露の数まで、

 数えられるようで、

 顔を上げれば、

 あなたはとても笑顔で、

 お酒を注いでくれていて、

 今も、あの頃と、なにひとつ変わらず、

 あなたと一緒にいるような気さえします。


 お身体に、変わりはありませんか?

 ずいぶん、暑い日が続いていますから、

 どうか、体調だけは、気をつけて。


 あなたは、

 とても真摯なひとだから、

 きっと、

 仕事もずっと、

 頑張っていることでしょう。

 ご活躍、

 とても、

 嬉しく思います。


 あなたは、

 あまりひとに愚痴を、

 言わないひとだから、

 ぐっと、

 堪えるのが、

 得意なひとだから、

 たまには、

 話を聞かせてくださいね。


 前に一度、

 あなたが、

 わたしのことを、

 すごく褒めてくれたこと、

 今でもおぼえています。


 何気ない、

 一言だったので、

 あなたは、

 もしかしたら、

 おぼえていないかも、

 しれませんが、

 わたしは今も、

 あなたにもらった、

 その言葉を励みに、

 日々を生きています。


 なんとなく、

 あなたに、

 そのことの感謝を、

 きちんと伝えたくて、

 今日は、

 筆を取っているのかも、

 しれません。


 こういうのって、

 直接会って話すと、

 なんだか、

 照れくさいじゃないですか。


 だから、

 お便りならば、

 素直に、

 ありがとう

 と、

 伝えられるかなと思って、

 書いてみました。


 でも、

 やっぱり、

 照れくさいですね。


 また、

 そちらに伺う時は、

 連絡しますね。


 たぶん、わたしは今、

 けっこう、あなたに、

 会いたいんだと思います。


 もしも、

 あなたが、

 同じような気持ちで、

 いてくれたら、

 とても嬉しいなと思いつつ、

 今日は筆をおきます。


 七月です。

 そういえば、

 七夕が、

 もうすぐやってきますね。


 あなたに、

 ますます、

 良いことが、

 起こるように、

 こっそり、

 短冊でも、

 書いておきましょうか。


 また、

 一緒に、

 美味しいお酒、

 飲みましょう。


 それでは。


 平成三十年 七月三日



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