夏なんです 4 安藤むるめ 2020年8月30日 14:57 肌にまとわりつく湿気が体内で練られて汗になりTシャツを濡らしている。痛いくらいに太陽は輝いているからこの湿り気がどこからくるのか不思議だ。底の平らな雲が上空にフィルターをかけているみたいにも見えるのであの雲のせいかもしれない。そうじゃないかもしれない。川は水の音と子供の声を遠くまで運んでいる。膝まで水に浸かった子供は網を片手に水中を睨みつけている。その背中は太陽に焼かれるがままにしている。まるで色褪せた黒いTシャツのように黙って焼かれている。ベランダの蒸した匂いとクーラーの効いた部屋。きっと夏なんです。 #エッセイ #写真 #小説 #コラム #詩 #短編小説 #ショートショート #現代詩 #自由詩 #夏 #川遊び 4 サポートしていただいたお金で、書斎を手に入れます。それからネコを飼って、コタツを用意するつもりです。蜜柑も食べます。 記事をサポート