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そこで長く、投げ続けるために【6/15西武戦○】


連敗はたまたまの負けが連なってしまっただけだ、と、言い続けてはいたけれど、やっぱり今日みたいな展開で、8回の悲しい空気が、そのまま9回にも暗い影を落とし、静かに負けていく、というのが連敗中のチームだったように思う。

だから今日、言いようのない8回裏の悲しい気持ちを抱える中で、もらったチャンスをしっかり生かして繋いでいけたことが、とにかく、とにかくうれしかった。代打の荒木は今日も最高の仕事をし、そしててっぱちは調子がなかなか上がらない中で、しっかり犠牲フライを放った。

それはとてもとても大きい仕事だ。その場所で、与えられた役割をしっかり果たす。それの難しさを私は連敗中に痛いほど知ったのだ。

だけどそれが今日できたのは、他でもないカツオさんが、誰よりもその「与えられた役割をしっかり果たす」を実行していたからだろうと思う。それがあったからこそ、なんとか、なんとか9回にもう一度、みんな奮起することができた。

だからもちろん、今日のカツオさんに勝ちをつけてあげたかった。言うまでもなく、勝ちがついてしかるべき内容だった。でも8回まで来て、カツオさんの勝ちは儚く消えた。

いつだってその場面での判断が正しいかどうかなんてわからない。今日だって継投の「正しさ」はわからない。でもそこでカツオさんがマウンドを降りるのは、それはきっと「長く」投げるためでもあるのだ、と思う。その1試合の中ではなくて、そのプロ野球人生の中で。

カツオさんは、長く長くそこに立ち続けてきた。そして、カツオさん本人も、ファンも、チームも、できるだけ長くそこに立ち続けてほしいと思っている。

そのためにはきっと、毎試合毎試合「120%」の力配分で投げてもらうわけにはいかない。そんなことをしていたら、きっと「長く」は叶わなくなる。

例えば10キロのランニングで、一番疲れないのは「同じペースで走ること」だ。いつもと同じペースで、焦らずに、しんどい時もペースを落とさず、楽に走れるときもペースを無理に上げず。そして同じペースで走ることで、明日も走ろう、と思える余力を残す。20代なら多少無理に走っても大丈夫かもしれないけれど、30を過ぎるとこの余力の部分がとても大切になってくるような気がする。

カツオさんに勝たせてあげたい。そしてできることなら、その一つの試合でできるだけ長く投げて欲しいし、あわよくば完投勝利を達成して欲しい。でも、いつもいつもそれを目指していてはもちろん、長くそこに立ち続けることはできない。休みながら、余力を残しながら、また次に勝つための準備をしていかなきゃいけない。

もちろんどうか、そうして長く投げることで、一つでも多く勝ち星を、と思う。それはたぶん、今年のペナントが進むたびに、カツオさんの投球を見るたびに、ファンも選手も強くしている思いだ。

次はきっとカツオさんに勝ちがつきますように。そしてうめちゃんは今日を乗り越えて、糧にして、また一つ強くなりますように。


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