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『劇団の常識』が気持ち悪い

『劇団』
と一言で言っても
色々な種類の劇団があります。


まず、
公演するジャンルはどういうものか。

・ストレートプレイ系
・ミュージカル系
・アクション系
などがあります。


劇団の代表者は
・脚本家
・演出家
が多く
代表者によって、作る作品が大きく違ってきます。


ミュージカルをやりたい人は
ミュージカルを作っている、ミュージカルを公演している劇団に入るのがいいでしょう。

ここを間違えてしまうと
ミュージカルがやりたいのに全くできない、ということが
起きてきますので、注意が必要です。


私は20年の間で、
本当に色々な劇団と関わらせて頂きました。

新橋に劇場を構えるような大きな劇団から
友達3人で立ち上げたばっかりの劇団まで、
色々な劇団と関わらせて頂きました。


劇団と関わる中で
『一番注意をしなければならないこと』
がありました。


それは
『誰のために劇団をやっているのか』
ということです。


劇団の代表者は
・脚本家
・演出家
が多く、
『脚本家がやりたいことをするだけの劇団』
も数多くありました。
『演出家がやりたいことをするだけの劇団』
も数多くありました。


残念なことに
『所属している俳優(劇団員)の将来や目標に目を向けていない劇団』
が本当に多かったのです。


脚本家、演出家が立ち上げた劇団なので、
その人が自由にやりたいことをやればいいと思います。

しかし、
俳優(劇団員)の負担も考えず、
『脚本家、演出家がただやりたいことをやるだけの劇団』は、
所属している俳優(劇団員)を見ていて本当に可哀そうでした。



もっと具体的にいいましょう。


演劇の公演を行う際、
公演を作るのは
脚本家、演出家を筆頭に、劇団のスタッフです。

では、
公演を行う際に必要なお金(製作費)はどこからでるでしょう。


そうです。

公演のチケットを売って、
そのチケットの売り上げが、公演の製作費になるのです。


では、
そのチケットは誰が売るでしょう。


そうなんです。

俳優(劇団員)が売るのです。


脚本家、演出家、作品、劇団自体が
公演のチケットを売れるような状態にはあまりなっていません。


つまり、
脚本家、演出家、作品、劇団自体は、
チケットを売る力がないのです。

チケットを売る力を持っているのは
出演者である俳優(劇団員)です。

なので、
出演者である俳優(劇団員)が売るしかないのです。


そういう状況を利用して、
劇団は俳優(劇団員)に、
出演するにあたり
『チケットノルマ』
というものを課せます。


つまり、
「何枚売らないと、貴方が自分で買い取ってね」
というものです。


俳優(劇団員)の多くは
「自分も出演できるからいい」
と言いますが、
『脚本家、演出家がやりたいことをやる作品に、
俳優が負担して公演をする』

という状態に、
私はずっと疑問を抱いており、
それは今でも変わりません。


俳優がチケットを売って公演を行うのであれば、
『俳優のための公演(作品)』
を心がけるべきだと思っています。


この
『劇団の常識』
が、
私は気持ち悪く感じ、
小劇場でチケットノルマを課した劇団の公演を観に行くのは
気がすすみませんでした。


皆さんはいかがでしょうか。


⇒ 小説『地図を探して』:目次はこちら

※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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