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№120【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『こちらを見透かしたように』

ある日、ワタクシの好きな動画を観ていたら、願いが叶うというおまじないが話題になっていた。ただし、その日にやらないと意味がないらしい。
「え?! おまじない?」
小学生の頃から、占い、おまじない、魔法に目がないワタクシ。
「もしかしてどこにいるのか分からない動物を探し回る? 口がもつれそうなほどの大々的な呪文を唱える? もしかして厳しい修行いる?」
ドキドキしながらその方法を聞いていたら、椅子から転げ落ちそうなほど拍子抜けした。それは願いごとを書いて箱に入れるだけ。
「いいんかいな、こんなんで・・・簡単すぎない?」
そう思ったとき、こちらを見透かしたように最後に言い渡された、たった1つだけ守ること。

「この紙を入れた箱を絶対に絶対に開けてはならない」

ひょーっ!
いわゆる封印ってやつですか? 急にハードルあがったんですけど。

箱を開けまいと、しっかり奥にしまい込んだらさあ大変。次に見つけたときは絶対に忘れているとき。即開封して「これなんだっけ?」と言うのは間違いなし。はい、台無し。

そこに分かりやすく「この箱開けたらダメ」なんて書き込んだら、もうフラグ。これ、昔話では大定番中の大定番、絶対に見ちゃうやつだよね? 全力でダメだと言われても、しつこく念押しされても昔話ではみーんな100%開けてるじゃーん。

どうしよう。どうしたらいいんだろう。
「開けてはならぬ」は開けてしまう。箱があるだけで開けてしまう。

やっぱりどう考えてもこの先、一生その箱を開けない、見ない、気にしないなんて絶対ムリ。無理無理無理。

「開けない登場人物はいない」は昔話の教訓ナンバーワンだと確信した。

これに従い、素直なワタクシ、このおまじないをとっとと諦めた。
残念。



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