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伏線回収

4年前、私はカナダのトロントにいた。

そこでキャサリンという韓国人のお友達ができた。キャサリンは私の価値観を変えた人物の一人で、漫画風に言うと「おもしれー女」だった。

韓国で長年デザイナーとして働いていた彼女は残業に疲弊して、移住を目指してカナダにやってきた。当時は確か30歳だったと思う。

外国でふたたび大学1年生となった彼女は、長年築いてきたデザインのキャリアを捨て、食が好きだからゼロから学ぶことにしたのと言っていた。可愛らしい破天荒というのが第一印象だったかな。

世界の美味しい食べ物を食べるのは勉強だからと美味しいものを食べることに貪欲で、よく一緒に街に出かけてはインド料理やらブラジル料理を食べて、その味について熱心に語り合った。

フードハンター仲間の1人だ。

ブラジル料理


出会った当時からよく夢を語る子で

私は将来カフェをオープンさせて友達を招待するのが夢なのと何度も言っていた。

その夢は夕暮れの電車の中でも聞いたし、海を散歩しているときにも聞いた。

「いつか私のカフェに招待するからね!!!」

そう言っていたのを今でも覚えてる。


帰国後も、半年に1回くらいお手紙くらいの長さのDMを送り合っている。

彼女とはトロントでお別れのハグをして以来会っていないが、またどこかで会うだろうなという気はしていた。

最後にDMをしたのは去年だったかな。

トロントで永住権を取るのは難しそうだからひとまずカナダの田舎に引っ越すことにしたらしい。

とても寒いところでマイナス20〜30度のところよと言っていて、手段を選ばない女だなと思った。

そして今朝、久しぶりに彼女から連絡が届いた。




カナダでカフェをオープンする予定なの。招待したいからいつかあなたにも来てほしい!




彼女は田舎に引っ越した後、カフェを営むオーナーさんと出会い、彼とビジネスパートナーの関係を結ぶことになったらしい。

そして、自分のカフェをオープンできる機会に恵まれたそうだ。


ああ….一番大きな夢が叶ったんだ。

そう思うと夢がいっぱいになった。



「いつか私のカフェに招待するからね」


夕暮れ時の電車でのあのセリフは

4年経った今日

伏線回収されることになったのでした。



でね

夕暮れ時の電車のやりとり、確か記事にしたような…と思って久しぶりにトロント編の渡航記を開いたら、やっぱり残してあった。



キャサリンの生き方は、かなりユニークだった。

「私はこれがいいから、これにするわ!」

と言い切れる女で

いつだって自分が望むものを選択している幸せそうな女だった。


そんな彼女と、ふとまた語り合いたいと思った。

待っててねキャサリン。

いつかあなたのカフェに花束を持って訪れるよ。



4 years ago..

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