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Philippines Poverty

Poverty (especially about street children.)

9月12日、卒業まであと3日になった。
私の英語の授業を担当してくれている”Ainne”にスラム街へ連れて行ってくれないかと頼んだ。理由は、渡航後初めてストリートチルドレンを見た時、もちろん相当な覚悟をして現地にいったものの自分の目で見た現実を受け入れられなくて、寮に戻って考えこんでしまったから。ここまで動揺したのは半年ぶりくらいで、目の前の現実を理解するのには時間がかかった。
物乞いされた時に立ち止まったものの、凄く心が痛かったのにお金を渡したらいけないと言われていたため自分の度胸がなくて何も出来なかった。
目の前の子供は、痣だらけ、着ている服は汚れなのか元の色なのか分からないほど真っ黒に汚れていて、今にも泣きだしそうな目を見たら、私はどうしたらいいのか分からなかった。もう言葉にできないほど、凄く凄く悔しかった。今も。
無い頭で一晩考えて、もし次、また会えたら、何か渡したいと思った。
それから3日間ほど、毎日、自分の衣服と2日分くらいになりそうな食事を持って、ストリートチルドレンに会った場所、時間合わせて通ってみたけどあの時のストリートチルドレンにはもう会う事は無かった。今頃、どうなっているのか、留学期間中に頭をよぎらない日は無かった。

だから、スラム街に行けばきっと、同じ理由で苦しんでいる人に会えると思った。もともとスラム街に行きたいと思って、渡航先をフィリピンにしたから、その思いがますます強くなったと言えば正しいのかもしれない。

先生に「なぜこのような状況になっているんですか」と質問するのをためらったのは失礼になると思ったから。渡航中に一番アドバイスを貰っていたまいかさんに相談した。すると、彼女は「せっかく留学に来たんだから聞いてみなよ。あなたにとっても先生にとっても、国の壁を越えてお互いの考えを理解する機会になるから」と背中を押してくれたから話す事を決意した。私は今のトーク力だけでは自分の想いをすべて伝えきれそうになかったから、Ainneに英語で手紙を書いて、翌日質問した。



留学期間、一番支えてくれたまいかさん



Ainneは、私の話を否定せずに聞いてくれた。そしてフィリピンの状況を一つ一つ、分かりやすく話してくれた。
まず、なぜストリートチルドレンにお金を渡してはいけないのか
彼らは、次の日に食べるパンも買えない。服も買えないし、家も無い。
それでもお金を渡してはいけない理由は、
なんとストリートチルドレンが薬物を買うから。
私は言葉が出なかった。薬物はとても高価なのは知っていたし、一般の人でも買えない薬物を、明日のパンが買えないストリートチルドレンが買えるとはとても思えなかった。1ドラッグあたり、約1000ペソ。日本円だと、2450円。その前に、まだ小学生、中学生くらいの子供が薬物を使ったらその子たちの将来はどうなるんだろう。
たくさんの困惑が頭に浮かんで10秒くらい何も話せなかった。
Ainneは、私に一つ一つ教えてくれた。

彼女は私に英語以外の事も教えてくれた。Ainneはとても面白くて
彼女の笑顔はいつも周りを幸せにする。
私もどんなに体がしんどい日でも、彼女に会うとなぜかいつも元気になれた。


まず、とても高価な薬物を、ストリートチルドレンがなぜ手に入れることができるのか。ストリートチルドレン達は、観光客や大人に「お金をください」と物乞いすることでお金を得て、皆でそれを貯める。そして、薬物を売る悪いグループに(おそらくマフィアが関わっていると思われる)皆で集めたお金を渡すそう。

私が生活したセブのストリートチルドレン



対価として薬物を受け取り、摂取する事でお腹がすかないという仕組み。グループ側の策略としては、警察は子供を逮捕できないから、子供にストリートチルドレンとしてお金を集めてくるように企んでいるそうです。これは私の予想だが、ストリートチルドレンを装う子供もいるのではないかと考えた。


一回のドラッグ摂取で1週間もお腹がすかないそう。まだ小学生くらいの子どもが1週間も食事をとらないとどうなるか。
ストリートチルドレン側の考えとしては、パンやクッキーなどの普通の食べ物を食べると一時的に満たされるだけでお腹がすいてしまうから、薬物を摂取したほうが楽だそう
警察は何をしているのかと聞いてしまった。
するとAinneは、警察はきっと悪い大人たちと友達なんだよと言った。薬物を売る人に高額のお金を受け取る代わりに逮捕しない約束をしているよう。投票制度にもお金が絡んでいて賄賂が当たり前になっているらしい。
Ainneは、このような政府の賄賂問題はフィリピンだけではなくて中国、韓国、アメリカでもあっていると言った。
私もあくまで聞いた話だから誰であっても全て信用しているわけではないがかなり衝撃だった。
最後にAinneはこの状況に対してどう思うの?と質問した。
すると彼女は、このような政府の対応は問題だと言った。だから投票をしないと。政府と国民は全くseparate。
Ainneは、ストリートチルドレンを見た時に余裕があれば、クッキーをあげたり要らなくなった衣服を渡したりすると教えてくれた。今週末、帰国前最後の週末に私はAinneに頼んで仕事が休みの日にも関わらず時間を取ってもらった。換金して余ったお金で、朝5時に起きて2ペソパンを沢山買いにいって、子供たちやホームレスの人に渡してくる。私がフィリピンで使ったサンダルも衣服も渡してこようと思っている。対象が限られてしまい、多くの人に貢献できなくてunfairだが、私も帰国後は学費や家賃を払わないといけず19の自分にとってはこれが限界だ。休日にも関わらず時間をとってくれたAinneに、現実を伝えてくれたAinneに本当に感謝している。そして出会ってくれてありがとう。

Ainneは2人の息子を持つお母さん。妹夫婦とご両親はアメリカに出稼ぎのため移住したそう。

世の中には教科書では学べないことがたくさんある。
努力して貯金をして、今回渡比して本当に良かった。現地の状況を目で見て、温度を感じて一生懸命考えた2週間だった。

分かりやすく解説されているサイトは以下記載。

                                                                      2023.09.13



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