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寒い日の喫茶店

昨日からかなり冷え込んでいる。
お腹が痛くなる様な寒さだ。
今日は祝日で
家族が駅前の商業施設ビルに
限定品を買いに行くとの事で便乗した。
朝早くでるからと
いつもより早寝をし
指定時間に出発出来た。
空気は寒くて足先が凍えた。

開店少し前にビルに到着し、
家族の用事の間自由に出来るので
久しぶりに珈琲で有名な店に入る。
何十年ぶりだろう。
当時でも珈琲一杯800円だったけれど
この御時世、
令和まで保っているとは人気があるのだなと思う。
店の前には白髪の執事みたいな人がいて
声をかけてくる。
一人で静かな席希望と伝えると
満席で入り口の席が一つだけ空いていますと言われる。
静かだし入り口は見えない作りで一人には十分だったのでお願いする。

女性スタッフに席まで案内され
注文を済ませ店内を見回すと
天井が高い。
隣席との間隔も割とあるし何より
スタッフが丁寧である。
店の真ん中には大きな花瓶に素晴らしい春を感じる花々がいけてある。
奥にバーがあり
天井までカップが並んでいた。
昔とは違う感じがするが
このファストフードや時短が持て囃される時代に
昭和の重たいけれど安心できる
古くさい雰囲気が心地良かった。
横に予備の椅子やティーテーブルにチューリップが飾ってあるので
世の中がもっとゆっくりしていたあの頃を思い出し
た。

程なくして出てきたティーカップを見て
思わず
『エインズレー』
と言ってしまった。
喫茶店で出すティーカップにしては
高価なオーチャードゴールドだったからです。


エインズレー

この金色地にフルーツを描いた美しい
ティーカップを置かれた時
嬉しくて心が躍った。
紅茶は
少し薄かったけれど
金色に輝くカップを口につけると
全て美味しく感じてしまう。
サンドイッチではなく
スクランブルエッグを挟み込んだパンは
指で摘めないので
両手で持たねばならず食べにくく
卵の味がしなかった。
キューカンバーサンドイッチ🥪
または卵サンドイッチにして頂いたら
尚良かった。
素晴らしい雰囲気と素晴らしいカップ。
それから丁寧な対応のスタッフ。
照明は間接照明で心地良い仄暗さ。

ここがイギリス風な喫茶店ならば
サンドイッチは
指で摘めるフィンガーサンドイッチが好ましい。
見た目にも齧り付くのは美しくありません。
食パンにカラシバターを塗り薄いきゅうりを挟み小さくカットしたサンドイッチがあれば何も要らない。

紅茶一杯が1200円と言うのは
かなり高額だ。
ポッドではなくカップ一杯のお値段。
普段ならば決して入らなかっただろう。
入り口の席のお陰で
全体が見渡せたのも良かった。
アフタヌーンティーの予約で満席らしく
私は開店と同時に入ったからまだ客はまばら。
しかし一人紅茶を飲みながらトーストを食す老人、
楽しそうなご婦人方のざわめきに何となくこちらも
楽しくなった。

それにしても広い空間である。
人には丁度良い間隔がというものがあるが
この店は調和が取れている。
だからこの時代まで続いていたのだろう。
寒い朝、早起きして凍えそうになっていたのが
お腹も満ちて心も晴れやかになった。
まだまだ寒さは続くけれど
春遠からじ☘️
を感じた休日の朝だった。

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